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産業(さんぎょう)の発展(はってん)にともなって、人のいのちや健康(けんこう)、生活環境(せいかつかんきょう)に影響(えいきょう)を与える公害問題(こうがいもんだい)が発生し、特に4大公害病(よんだいこうがいびょう)が大きな社会問題(しゃかいもんだい)となりました。
【4大公害病は、次の項目(こうもく)で説明(せつめい)】
その後、川や海などに有害(ゆうがい)なものを流してよごさないために、工場などに対していろいろな基準(きじゅん)がきめられました。また、家の台所やお風呂から出るきたない水が川をよごさないように、下水道(げすいどう)につなげたり、浄化槽(じょうかそう)をつけるようになり、川や海の水はだんだんときれいになってきています。
大分県では、工場で基準が守られているかどうかを調べるため、工場の排水(はいすい)の検査(けんさ)をしたり、川や海の水を定期的(ていきてき)に検査して、よごれていないか調べています。
水質検査の様子
みんなができる水の調査~水生生物調査(すいせいせいぶつちょうさ)~の説明は下にあります。
大分市を流れる住吉川は、昭和44年(1969年)にはとてもよごれていて、くさいにおいのする川になっていました。おもなよごれの原因は家からの生活排水(せいかつはいすい)でした。
そこで、地域の家に下水道をつなげたり、地域のみんなが清掃活動(せいそうかつどう)にがんばったことなどにより、だんだんと水がきれいになり、今では魚が住めるまでによくなりました。
4大公害病(よんだいこうがいびょう)
戦後、重化学工業化(じゅうかがくこうぎょうか)が急に進んだ高度成長期(こうどせいちょうき)に、各地で産業公害が多発(たはつ)し、みんなの関心をよぶ大きな社会問題になりました。特に大きな4つの公害(下の4つ)を、4大公害病といいます。
○ 水 俣 病 (みなまたびょう)
1953年ごろから熊本県水俣湾(みなまたわん)で発生した、有機水銀(ゆうきすいぎん)による公害病です。工場から出た有機水銀により水俣湾の水が汚染(おせん)され、つぎに魚が汚染され、その魚を食べた多くの人や動物に健康被害(けんこうひがい)が生じました。公害の原点(げんてん)とよばれています。
○ 新 潟 水 俣 病 (にいがたみなまたびょう)
1963年ごろから新潟県阿賀野川(あがのがわ)流域で発生した、有機水銀による公害病です。工場から出た有機水銀が水を汚染し、つぎに魚を汚染し、それを食べた人に健康被害が生じました。熊本の水俣病と同じ原因であることから、新潟で発生した水俣病として、名前がつけられており、第二水俣病ともよばれています。
○ イタイイタイ病
1955年ごろから、富山県神通川(じんづうがわ)流域で報告されていたカドミウムによる公害病です。川の上流(じょうりゅう)にある鉱山(こうざん)から出る廃水(はいすい)にカドミウムがふくまれており、川の水が汚染され、その水で育てたお米が汚染され、そのお米を食べた人に健康被害が生じました。体にひどい痛みがおこり、歩くこともできず、ちょっとしたことでも骨折するなど、患者(かんじゃ)が「いたいいたい」とさけぶことから、この病気の名前がつきました。
○ 四日市ぜんそく
1960年ごろから、三重県四日市市(よっかいちし)で問題となった、二酸化硫黄(にさんかいおう)などによる公害病です。石油化学工場(せきゆかがくこうじょう)から出る、亜硫酸(ありゅうさん)ガスなどの有毒ガスが空気をよごし、その空気の中で息をしていた人に健康被害が生じました。水ではなく、空気(大気(たいき))を汚染したことによる公害病でした。
きれいな川には、きれいな水がすきな生き物がいます。きたない川には、きたない水でもすめる生き物がいます。このように、川にいる生き物の種類や数によって、その川がきれいかどうかを調べることができます。
この、川にいる生き物により水のよごれを調べる方法を、水生生物調査といいます。また、よごれのめやすとなる生き物のことを指標生物(しひょうせいぶつ)といい、サワガニ、カワニナ、トビケラ、カワゲラなどの約30種類の生き物が指標生物に選(えら)ばれています。
平成29年度は、大分県にある18の川、23地点(ちてん)において調査を行いました。調査を行ったのは、小学校や中学校などの23団体(だんたい)、参加(さんか)したのべ人数は697人でした。
調査結果は、きれいな水が13地点で、県内の川の水はおおむねきれいでした。
君の学校でも、先生と近くの川でこの調査をやってみませんか?