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第2章 1 大気(たいき)の環境(かんきょう)を守る-1

印刷ページの表示 ページ番号:0002094463 更新日:2020年5月25日更新

大気汚染(たいきおせん)ってなに?

 みなさんは「大気汚染(たいきおせん)」という言葉(ことば)をしっていますか?「大気汚染(たいきおせん)」というのは、わたしたちが、ふだん、なにげなくすっている空気(くうき)が汚(よご)れているということです。
では、なにが空気(くうき)を汚(よご)しているのでしょうか。 

大気汚染

大気汚染物質(たいきおせんぶっしつ)について 

 空気(くうき)の中には、「二酸化硫黄(にさんかいおう)」「二酸化窒素(にさんかちっそ)」「浮遊粒子状物質(ふゆうりゅうしじょうぶっしつ)」「光化学オキシダント(こうかがくオキシダント)」という物質(ぶっしつ)があり、わたしたち人間の体に悪い影響(えいきょう)をおよぼしています。

おもな大気汚染物質(たいきおせんぶっしつ)

おもな大気汚染物質(たいきおせんぶっしつ)性状(せいじょう)や発生原因(はっせいげんいん)人への影響(えいきょう)
二酸化硫黄
(にさんかいおう)

・刺激臭(しげきしゅう)のある無色(むしょく)の気体(きたい)。
硫黄分(いおうぶん)を含む石油(せきゆ)や石炭(せきたん)などの化石燃料(かせきねんりょう)を燃(も)やすと発生(はっせい)する。
自動車の排気(はいき)ガス工場(こうじょう)の煙突(えんとつ)から出る煙(けむり)の中などに入っている。

・たくさんあると、ぜんそくなどの病気(びょうき)や酸性雨(さんせいう)の原因(げんいん)になる。
二酸化窒素
(にさんかちっそ)
・赤褐色(せきかっしょく)の気体(きたい)。
空気(くうき)の中で、ものを燃(も)やすと発生(はっせい)する
自動車の排気(はいき)ガスに入っているほか、ボイラーなどからも発生(はっせい)する。
・たくさんあると、ぜんそくなどの病気(びょうき)の原因(げんいん)になる。
浮遊粒子状物質(ふゆうりゅうしじょうぶっしつ)

・空気(くうき)の中を漂(ただよ)うとても小さな粒状(つぶじょう)のもの。
ものを燃(も)やすことなどによって発生(はっせい)する他、黄砂(こうさ)などの自然現象(しぜんげんしょう)により発生(はっせい)する。

・たくさんあると、人のからだに悪い影響(えいきょう)がでる。
微小粒子状物質(びしょうりゅうしじょうぶっしつ)
(PM(ぴーえむ)2.5)

・浮遊粒子状物質(ふゆうりゅうしじょうぶっしつ)のうち、大きさが2.5μm(マイクロメートル)以下のもの。(1マイクロメートルは1ミリメートルの1000分の1)
ものを燃(も)やすことなどによって発生(はっせい)する他、黄砂(こうさ)などの自然現象(しぜんげんしょう)により発生(はっせい)する。

・たくさんあると、人のからだに悪い影響(えいきょう)がでる。
・粒(つぶ)の大きさが小さいため、肺(はい)の奥深(おくふか)くまで入りやすい。

光化学オキシダント(こうかがくおきしだんと)・自動車の排気(はいき)ガスなどに入っている二酸化窒素(にさんかちっそ)などが、太陽(たいよう)からの光を受けて光化学反応(こうかがくはんのう)を起こすことにより発生(はっせい)する酸化性物質(さんかせいぶっしつ)。・たくさんあると、目がチカチカしたり、のどが痛(いた)くなったりする。
・たくさんあると、光化学スモッグ(こうかがくすもっぐ)を発生(はっせい)させる。

  大気汚染の原因

大気汚染(たいきおせん)の状況(じょうきょう)

二酸化硫黄(にさんかいおう)

 二酸化硫黄(にさんかいおう)による大気汚染(たいきおせん)は、1960年代の高度成長時代(こうどせいちょうじだい)には、四日市(よっかいち)ぜんそくなどの公害(こうがい)を引き起こすほど深刻(しんこく)でしたが、1970年~1980年代にかけて工場(こうじょう)や自動車の排気(はいき)ガス対策(たいさく)がすすみ、大きく改善(かいぜん)されました。
 現在(げんざい)では、よい状態(じょうたい)で推移(すいい)しています。

グラフ:二酸化硫黄濃度の推移

二酸化窒素(にさんかちっそ)

 1970年代に、自動車の排出(はいしゅつ)ガスの中の二酸化窒素(にさんかちっそ)を低(ひく)くする技術(ぎじゅつ)が大きく進化(しんか)し、大きく改善(かいぜん)しました。その後も、おおむねよい状態(じょうたい)で推移(すいい)していますが、道路(どうろ)の近くの濃度(のうど)が高い状況(じょうきょう)が続(つづ)いています。

二酸化窒素濃度の推移

浮遊粒子状物質(ふゆうりゅうしじょうぶっしつ)

 1970年代に大きく改善(かいぜん)し、現在(げんざい)も少しずつよくなっています。しかし、黄砂(こうさ)などの自然現象(しぜんげんしょう)により、一時的(いちじてき)に濃度(のうど)が上昇(じょうしょう)することがあります。

浮遊粒子状物質濃度の推移

微小粒子状物質(びしょうりゅうしじょうぶっしつ)(PM(ぴーえむ)2.5)

2009年9月9日に環境基準(かんきょうきじゅん)が設定(せってい)され、2013年頃(ねんごろ)から少しずつよくなっています。しかし、黄砂(こうさ)などの自然現象(しぜんげんしょう)により、一時的(いちじてき)に濃度(のうど)が上昇(じょうしょう)することがあります。

※ 微小粒子状物質(びしょうりゅうしじょうぶっしつ)について、もっと知りたい人は、下のリンクをクリックしてね。

微小粒子状物質(PM(ぴーえむ)2.5)濃度の推移

光化学オキシダント(光化学スモッグ)

 光化学オキシダント(こうかがくおきしだんと)による大気汚染(たいきおせん)は、最近(さいきん)は横ばいで推移(すいい)しています。2019年5月、大分県では10年ぶりに由布市(ゆふし)で光化学オキシダント注意報(こうかがくおきしだんとちゅういほう)を発令(はつれい)しました。

※ 光化学オキシダント(こうかがくおきしだんと)について、もっと知りたい人は、下のリンクをクリックしてね。

光化学オキシダント濃度の推移

きれいな空を守っていくために

 ここまで見てきたように、光化学オキシダント(こうかがくおきしだんと)以外(いがい)については、大気汚染(たいきおせん)の状況(じょうきょう)はおおむね良い状態(じょうたい)にあります。
では、光化学オキシダント(こうかがくおきしだんと)による大気汚染(たいきおせん)をよくするためには、どうすればよいのでしょうか。

自動車から出る大気汚染物質(たいきおせんぶっしつ)をへらす

 光化学オキシダント(こうかがくおきしだんと)は、自動車の排出(はいしゅつ)ガスなどに入っている二酸化窒素(にさんかちっそ)が、太陽からの紫外線(しがいせん)を受(う)けて光化学反応(こうかがくはんのう)を起こすことによって生まれます。

自動車から排気ガスがでています。

自動車をなるべく使わないようにする

 ふだんの生活では、なるべく自家用車(じかようしゃ)を使わないように心がけましょう。
近くの場所(ばしょ) ・・・ あるく。または自転車(じてんしゃ)で行く。
遠くの場所(ばしょ) ・・・ バスや電車(でんしゃ)などの公共交通機関(こうきょうこうつうきかん)を使う。

エコドライブを心がける

 エコドライブとは、なるべく燃料(ねんりょう)を使わずに長い距離(きょり)を走るための運転方法(うんてんほうほう)です。エコドライブは、燃費(ねんぴ)をよくするための運転方法(うんてんほうほう)ですが、燃料(ねんりょう)を燃(も)やす量(りょう)がへるために排気(はいき)ガスの量(りょう)が少なくなり、窒素酸化物(ちっそさんかぶつ)などの大気汚染物質(たいきおせんぶっしつ)をへらすことができます。

自動車を買うときに、「低公害車(ていこうがいしゃ)」を選(えら)ぶ

 低公害車(ていこうがいしゃ)とは、窒素酸化物(ちっそさんかぶつ)や粒子状物質(りゅうしじょうぶっしつ)などの大気汚染物質(たいきおせんぶっしつ)をあまり出さない自動車です。自動車を買うときは、「低公害車(ていこうがいしゃ)」を選(えら)ぶことを検討(けんとう)しましょう。

※ 低公害車(ていこうがいしゃ)について、もっと知りたい人は、下のリンクをクリックしてね。

エネルギーをなるべく使わないくらしをこころがける

 私たちは冷蔵庫(れいぞうこ)やエアコンなどの電気(でんき)を使った機器(きき)やボイラーやストーブなどの灯油(とうゆ)を使った機器(きき)を使って、快適な(かいてき)なくらしをしています。
 電気(でんき)は、石炭(せきたん)などの化石燃料(かせきねんりょう)を燃(も)やしてつくることが多いですが、化石燃料(かせきねんりょう)をたくさん燃(も)やすと、二酸化窒素(にさんかちっそ)がたくさん出てきます。また、ボイラーやストーブを使うために灯油(とうゆ)を燃(も)やすと、二酸化窒素(にさんかちっそ)が出てきます。

 二酸化窒素(にさんかちっそ)を出さないためには、エネルギーをなるべく使わないくらしを心がけることが大切です。