本文
みなさんは「大気汚染(たいきおせん)」という言葉(ことば)をしっていますか?「大気汚染(たいきおせん)」というのは、わたしたちが、ふだん、なにげなくすっている空気(くうき)が汚(よご)れているということです。
では、なにが空気(くうき)を汚(よご)しているのでしょうか。
空気(くうき)の中には、「二酸化硫黄(にさんかいおう)」「二酸化窒素(にさんかちっそ)」「浮遊粒子状物質(ふゆうりゅうしじょうぶっしつ)」「光化学オキシダント(こうかがくオキシダント)」という物質(ぶっしつ)があり、わたしたち人間の体に悪い影響(えいきょう)をおよぼしています。
おもな大気汚染物質(たいきおせんぶっしつ) | 性状(せいじょう)や発生原因(はっせいげんいん) | 人への影響(えいきょう) |
---|---|---|
二酸化硫黄 (にさんかいおう) | ・刺激臭(しげきしゅう)のある無色(むしょく)の気体(きたい)。 | ・たくさんあると、ぜんそくなどの病気(びょうき)や酸性雨(さんせいう)の原因(げんいん)になる。 |
二酸化窒素 (にさんかちっそ) | ・赤褐色(せきかっしょく)の気体(きたい)。 ・空気(くうき)の中で、ものを燃(も)やすと発生(はっせい)する。 ・自動車の排気(はいき)ガスに入っているほか、ボイラーなどからも発生(はっせい)する。 | ・たくさんあると、ぜんそくなどの病気(びょうき)の原因(げんいん)になる。 |
浮遊粒子状物質(ふゆうりゅうしじょうぶっしつ) | ・空気(くうき)の中を漂(ただよ)うとても小さな粒状(つぶじょう)のもの。 | ・たくさんあると、人のからだに悪い影響(えいきょう)がでる。 |
微小粒子状物質(びしょうりゅうしじょうぶっしつ) (PM(ぴーえむ)2.5) | ・浮遊粒子状物質(ふゆうりゅうしじょうぶっしつ)のうち、大きさが2.5μm(マイクロメートル)以下のもの。(1マイクロメートルは1ミリメートルの1000分の1) | ・たくさんあると、人のからだに悪い影響(えいきょう)がでる。 |
光化学オキシダント(こうかがくおきしだんと) | ・自動車の排気(はいき)ガスなどに入っている二酸化窒素(にさんかちっそ)などが、太陽(たいよう)からの光を受けて光化学反応(こうかがくはんのう)を起こすことにより発生(はっせい)する酸化性物質(さんかせいぶっしつ)。 | ・たくさんあると、目がチカチカしたり、のどが痛(いた)くなったりする。 ・たくさんあると、光化学スモッグ(こうかがくすもっぐ)を発生(はっせい)させる。 |
二酸化硫黄(にさんかいおう)による大気汚染(たいきおせん)は、1960年代の高度成長時代(こうどせいちょうじだい)には、四日市(よっかいち)ぜんそくなどの公害(こうがい)を引き起こすほど深刻(しんこく)でしたが、1970年~1980年代にかけて工場(こうじょう)や自動車の排気(はいき)ガス対策(たいさく)がすすみ、大きく改善(かいぜん)されました。
現在(げんざい)では、よい状態(じょうたい)で推移(すいい)しています。
1970年代に、自動車の排出(はいしゅつ)ガスの中の二酸化窒素(にさんかちっそ)を低(ひく)くする技術(ぎじゅつ)が大きく進化(しんか)し、大きく改善(かいぜん)しました。その後も、おおむねよい状態(じょうたい)で推移(すいい)していますが、道路(どうろ)の近くの濃度(のうど)が高い状況(じょうきょう)が続(つづ)いています。
1970年代に大きく改善(かいぜん)し、現在(げんざい)も少しずつよくなっています。しかし、黄砂(こうさ)などの自然現象(しぜんげんしょう)により、一時的(いちじてき)に濃度(のうど)が上昇(じょうしょう)することがあります。
2009年9月9日に環境基準(かんきょうきじゅん)が設定(せってい)され、2013年頃(ねんごろ)から少しずつよくなっています。しかし、黄砂(こうさ)などの自然現象(しぜんげんしょう)により、一時的(いちじてき)に濃度(のうど)が上昇(じょうしょう)することがあります。
※ 微小粒子状物質(びしょうりゅうしじょうぶっしつ)について、もっと知りたい人は、下のリンクをクリックしてね。
光化学オキシダント(こうかがくおきしだんと)による大気汚染(たいきおせん)は、最近(さいきん)は横ばいで推移(すいい)しています。2019年5月、大分県では10年ぶりに由布市(ゆふし)で光化学オキシダント注意報(こうかがくおきしだんとちゅういほう)を発令(はつれい)しました。
※ 光化学オキシダント(こうかがくおきしだんと)について、もっと知りたい人は、下のリンクをクリックしてね。
ここまで見てきたように、光化学オキシダント(こうかがくおきしだんと)以外(いがい)については、大気汚染(たいきおせん)の状況(じょうきょう)はおおむね良い状態(じょうたい)にあります。
では、光化学オキシダント(こうかがくおきしだんと)による大気汚染(たいきおせん)をよくするためには、どうすればよいのでしょうか。
光化学オキシダント(こうかがくおきしだんと)は、自動車の排出(はいしゅつ)ガスなどに入っている二酸化窒素(にさんかちっそ)が、太陽からの紫外線(しがいせん)を受(う)けて光化学反応(こうかがくはんのう)を起こすことによって生まれます。
ふだんの生活では、なるべく自家用車(じかようしゃ)を使わないように心がけましょう。
近くの場所(ばしょ) ・・・ あるく。または自転車(じてんしゃ)で行く。
遠くの場所(ばしょ) ・・・ バスや電車(でんしゃ)などの公共交通機関(こうきょうこうつうきかん)を使う。
エコドライブとは、なるべく燃料(ねんりょう)を使わずに長い距離(きょり)を走るための運転方法(うんてんほうほう)です。エコドライブは、燃費(ねんぴ)をよくするための運転方法(うんてんほうほう)ですが、燃料(ねんりょう)を燃(も)やす量(りょう)がへるために排気(はいき)ガスの量(りょう)が少なくなり、窒素酸化物(ちっそさんかぶつ)などの大気汚染物質(たいきおせんぶっしつ)をへらすことができます。
低公害車(ていこうがいしゃ)とは、窒素酸化物(ちっそさんかぶつ)や粒子状物質(りゅうしじょうぶっしつ)などの大気汚染物質(たいきおせんぶっしつ)をあまり出さない自動車です。自動車を買うときは、「低公害車(ていこうがいしゃ)」を選(えら)ぶことを検討(けんとう)しましょう。
※ 低公害車(ていこうがいしゃ)について、もっと知りたい人は、下のリンクをクリックしてね。
私たちは冷蔵庫(れいぞうこ)やエアコンなどの電気(でんき)を使った機器(きき)やボイラーやストーブなどの灯油(とうゆ)を使った機器(きき)を使って、快適な(かいてき)なくらしをしています。
電気(でんき)は、石炭(せきたん)などの化石燃料(かせきねんりょう)を燃(も)やしてつくることが多いですが、化石燃料(かせきねんりょう)をたくさん燃(も)やすと、二酸化窒素(にさんかちっそ)がたくさん出てきます。また、ボイラーやストーブを使うために灯油(とうゆ)を燃(も)やすと、二酸化窒素(にさんかちっそ)が出てきます。
二酸化窒素(にさんかちっそ)を出さないためには、エネルギーをなるべく使わないくらしを心がけることが大切です。