1.大分県の温泉
皆さんは温泉に入ったことがありますか?
大分県にはたくさんの温泉があり、色やにおいもさまざまです。
温泉についてくわしく知ると、入るのが楽しくなりますよ!
(1)大分県の温泉のすがた
大分県は、温泉の数、湧き出る量ともに、全国第1位(平成30年度末)です。
別府温泉や由布院温泉をはじめ、県内各地に温泉や温泉を利用した観光地(かんこうち)があります。
また、温泉の熱によって発電する地熱発電(ちねつはつでん)でも全国第1位であり、日本一のおんせん県です。
(2)温泉とは
温泉とは、「地中からわき出る水や水蒸気やガスのうち、温度が25度以上あるか、イオウなどの成分がこいもの」のことをいいます。
このため、25度より冷たい温泉のときは、これを「鉱泉(こうせん)」といいます。
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別府の湯けむり景観 | 由布院温泉 | 長湯温泉(ガニ湯) | 寒の地獄温泉(冷たい温泉) |
(3)温泉が出るしくみ
温泉水のほとんどは、雨や雪が地面の深いところにしみ込んで、長い年月の後、ふたたび地上に出てきたものであることが分かってきました。温泉は、火山がもつ熱によって温められた温泉(火山性温泉)と、そうでない温泉(非火山性温泉)の大きく2つに分けられます。
(ア) 火山性の温泉
火山の地下深いところには、岩石がドロドロにとけた「マグマだまり」があり、1,000度を超える高温になっています。
ここに、雨水が長い時間をかけてしみこみ、マグマから熱や成分をうけとり、温泉がつくられます。
マグマによって温められた温泉は地面の割れ目や人間が掘った穴を通って、地上までわき出てきます。
これを火山性温泉といいます。
(イ) 火山性ではない温泉
地球の内部は温度が高いので、火山がない場所でも100m深くなるごとに、地面の中の温度はおよそ3度上がります。
このように、火山ではないところでも、地中の温度によって温められることで、温泉がつくられることがあります。
(4)温泉の種類
温泉は温度やふくんでいる成分によって10種類に分けられます。
このうち、大分県には含よう素泉と放射能泉(ほうしゃのうせん)を除く8種類の温泉があります。
温泉の種類と特徴温泉の種類 | 特徴(とくちょう) |
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単純温泉(たんじゅんおんせん) | 色が透明でクセがない |
塩化物泉(えんかぶつせん) | 味がしょっぱく、濃くなると苦い |
炭酸水素塩泉(たんさんすいそえんせん) | 体がツルツルするものもある |
硫酸塩泉(りゅうさんえんせん) | 薬がこげたようなにおい |
二酸化炭素泉(にさんかたんそせん) | 濃くなると体に泡がつく |
含鉄泉(がんてつせん) | 空気にふれると赤くなる |
酸性泉(さんせいせん) | 酸が強いと体にしみる |
含よう素泉(がんようそせん) | しばらくすると黄色になる |
硫黄泉(いおうせん) | たまごがくさったようなにおい |
放射能泉(ほうしゃのうせん) | ラドンを少しふくむ |
(5)温泉を枯らさないために
雨水が温泉になるまでには、長い年月がかかっているため、使いすぎると無くなってしまうことがあります。
このため、温泉を使いすぎないようなルールが必要です。大分県では、温泉の利用についてのルールをつくったり、温泉がどこにどのくらいあるのかを調べたりしており、県民の皆さんにも協力してもらえるようお願いしています。
(6)温泉の利用
温泉は、古くからお風呂として利用されています。他にも、明礬(みょうばん)をとったり、蒸気で料理をするなど、いろいろな形で利用されてきました。
また、温泉のまわりには宿や店がふえ、温泉を中心としたまちづくりが広がっていきました。この中には、毎日温泉に入るために数ヶ月から数年も温泉宿に泊まり、ゆっくりと病気やきずをいやす「湯治場(とうじば)」として有名になったところもあります。
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温泉成分をとっている建物 (別府市 明礬温泉) |
最近では、地球環境にやさしいエネルギーの一つとして、温泉の熱が注目されており、発電や野菜を育てるビニールハウス、ウナギやスッポンの養殖(ようしょく)、暖房(だんぼう)など、さまざまな面で利用されています。
(7)温泉の効果
温泉に入ったり、飲んだりすることで、体にとってさまざまなよい作用があることがわかっています。
一般に、温泉に入ることで、疲労(ひろう)回復や健康増進などの効果があるとされています。
また、温泉にふくまれる成分によっては、とくにその効果が期待されるものもあります。