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大分県には海岸や平地、高原、川、山などさまざまな地形があるため、たくさんの種類の動物・植物が生きています。
雨が少ない県北部の平野部にはため池がたくさんあり、トンボなどの淡水(たんすい)で生きる生物がたくさんいます。また、宇佐市の駅館川(やっかんがわ)の上流には、天然記念物(てんねんきねんぶつ)のオオサンショウウオが生きています。
野依(のより)新池(中津市) |
国東(くにさき)半島や耶馬溪(やばけい)には切り立った岩のガケがたくさんあり、このような地形に多いアカマツやイブキシモツケなどが生えています。また、秋にはイロハモミジやヤマハゼなどの葉が赤や黄に色づくので、美しい景色を見ることができます。
耶馬渓の切り立った山々 (中津市) |
鶴見岳の山頂付近(別府市) |
県南部の祖母(そぼ)山や傾(かたむき)山の近くでは、人の手がほとんど加えられていない自然林が残っており、たくさんの種類の木々が生えています。また、日本中でも珍しいニホンカモシカが生きています。
祖母山の渓流(けいりゅう) (竹田市) |
アコウの大木(佐伯市) |
すべての生き物は、他の生き物を食べたり、食べられたりして、お互いに少しずつ関わりあい、少しずつ必要としながら生きています。これを生態系(せいたいけい)と言います。
これは、地球に最初の生命が生まれてから気の遠くなるような年月をかけて作られたシステムであり、バランスが少しこわれると、多くの生き物がいなくなってしまいます。
人間の生活を便利にすることだけを考えて、生態系をこわすようなことがあってはなりません。もし生態系がこわれれば、生態系の一員である人間にも、未来に悪い影響(えいきょう)がでてくることでしょう。
このため、大分県では生態系を守るためにいろいろなことをしていますが、生きている数が少ない生き物については、絶滅(ぜつめつ)することのないよう、とくに力を入れており、次のようなことを行っています。
○ 絶滅が心配される生き物を調べる
県では絶滅が心配される数の少ない生き物を調べ、平成23年に「レッドデータブックおおいた2011」として公表しました。これには、1,289種類の生き物がのっており、絶滅の危険レベル別に分けられています。
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レッドデータブックおおいたでの区分 [PDFファイル/65KB] |
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レッドデータブックおおいたにのっている動物や植物 [PDFファイル/47KB] (1,289種類) |
(事例1)【国道500号(別府市)の道路工事】
工事区間内に絶滅(ぜつめつ)することが心配される植物が発見されたため、植物学の先生から意見をいただいて、その保護を行いました。
○ 絶滅が心配される植物を守るため、実際にしたこと ・ 絶滅が心配される植物が集中して生息している地域をできるだけさけるよう
道路の位置を決めました。
・ 工事区域内にある絶滅が心配される植物は別の場所に植え替えました。
発見された絶滅が心配される植物 |
(事例2)【大分スポーツ公園(大分市)の建設工事】
もともと山に生えていた木を別の場所に移して、サッカー場や野球場などの造成工事(ぞうせいこうじ)を行いました。