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第1章 1 豊かな自然とともに生きる-3

印刷ページの表示 ページ番号:0000247395 更新日:2009年12月28日更新

3.大分の動物・植物を守ろう

(1)大分の生き物

 大分県には海岸や平地、高原、川、山などさまざまな地形があるため、たくさんの種類の動物・植物が生きています。

 雨が少ない県北部の平野部にはため池がたくさんあり、トンボなどの淡水(たんすい)で生きる生物がたくさんいます。また、宇佐市の駅館川(やっかんがわ)の上流には、天然記念物(てんねんきねんぶつ)のオオサンショウウオが生きています。

のより新地
野依(のより)新池(中津市)


 国東(くにさき)半島や耶馬溪(やばけい)には切り立った岩のガケがたくさんあり、このような地形に多いアカマツやイブキシモツケなどが生えています。また、秋にはイロハモミジやヤマハゼなどの葉が赤や黄に色づくので、美しい景色を見ることができます。

耶馬溪の切り立った山々
耶馬渓の切り立った山々
(中津市)


 県中部のくじゅう山系や由布岳や鶴見岳の低い所には、ミズナラやクマシデという木が生えています。それより上の高原にはススキなどの草原があり、山の頂上付近には美しい花を咲かせるミヤマキリシマが生えています。
鶴見岳の山頂付近
鶴見岳の山頂付近(別府市)


 県南部の祖母(そぼ)山や傾(かたむき)山の近くでは、人の手がほとんど加えられていない自然林が残っており、たくさんの種類の木々が生えています。また、日本中でも珍しいニホンカモシカが生きています。

祖母山の渓流
祖母山の渓流(けいりゅう)
(竹田市)


 県南部の日豊(にっぽう)海岸には、高級な炭の原料になるウバメガシという木がたくさん生えており、ほかにアコウやビロウなどの暑いところに生えている植物も見られます。また、蒲江湾(かまえわん)などの海中にはサンゴが群生しています。
あこうの大木
アコウの大木(佐伯市)

(2)生き物を守ろう

  すべての生き物は、他の生き物を食べたり、食べられたりして、お互いに少しずつ関わりあい、少しずつ必要としながら生きています。これを生態系(せいたいけい)と言います。
 これは、地球に最初の生命が生まれてから気の遠くなるような年月をかけて作られたシステムであり、バランスが少しこわれると、多くの生き物がいなくなってしまいます。

 人間の生活を便利にすることだけを考えて、生態系をこわすようなことがあってはなりません。もし生態系がこわれれば、生態系の一員である人間にも、未来に悪い影響(えいきょう)がでてくることでしょう。
 このため、大分県では生態系を守るためにいろいろなことをしていますが、生きている数が少ない生き物については、絶滅(ぜつめつ)することのないよう、とくに力を入れており、次のようなことを行っています。

○ 絶滅が心配される生き物を調べる

 県では絶滅が心配される数の少ない生き物を調べ、平成23年に「レッドデータブックおおいた2011」として公表しました。これには、1,289種類の生き物がのっており、絶滅の危険レベル別に分けられています。

オオイタサンショウウオ

オオイタサンショウウオ [PDFファイル/186KB]

区 分

内  容

絶滅(E X)日本ではいなくなったと考えられる種類
野生絶滅(E W)自然の中では生きていない種類。人間が動物を飼ったり、植物を育てているものしか生き残っていない
絶滅危惧I類(C R+E N)絶滅の危険性がとても高い種類
絶滅危惧Ii類(V U)絶滅の危険性がふえている種類
準絶滅危惧(N T)今での絶滅の危険性は低いが、生きている場所に変化があれば、絶滅の危険性が高くなるかもしれない種類
情報不足(D D)まだよくわかっていない種類
絶滅のおそれのある地域個体群様々な場所で、はなれて生きているため、それぞれの場所で絶滅する危険性が高い種類
レッドデータブックおおいたでの区分 [PDFファイル/65KB]

絶滅(ぜつめつ)

野生絶滅(やせいぜつめつ)絶滅危惧I A類(ぜつめつきぐ)

絶滅危惧I B類

絶滅危惧II類

準絶滅危惧情報不足絶滅のおそれのある地域個体群
植  物

 

 

 

 

 

シダ植物

30

21

13

22

15

 

101

種子植物

1

77

178

206

98

92

652
蘚苔類(こけの仲間)

19

5

2

13

5

44

植 物 計

1

126

204

221

133

112

797

動  物
ほ乳類

1

2

1

4

7

4

2

21

鳥類

3

12

26

18

18

4

81

は虫類

1

1

4

1

1

8

両生類

1

4

2

7

魚類

2

8

4

7

10

31

頭索(とうさく)類

1

1

昆虫類

14

23

32

77

36

183

クモ形類多足類 等

1

12

19

35

67

大型水生甲殻類(カニやエビの仲間)

3

4

5

5

2

19

陸や淡水にいる貝

11

16

14

24

9

74

動 物 計

1

1

39

61

92

153

102

43

492

合    計

1

2

165

265

313

286

214

43

1,289

レッドデータブックおおいたにのっている動物や植物 [PDFファイル/47KB] 
(1,289種類)

(3)工事における自然環境への思いやり

 道路や公園をつくる工事をする時は、まわりの自然環境にできるだけ悪い影響を与えないようにすることが大切です。
 このため、まわりの自然環境に悪い影響(えいきょう)を与えることが心配される場合は、工事の計画を見直したり、工事に影響のない場所へ動物や植物のすみかを移したりすることで自然環境を守るようにしています。
 このように、「工事などによる自然環境への影響をできるだけ少なくすること、工事などによって失われる動物や植物のすみかを別の場所に移したりすること」を専門用語で「ミティゲーション」といいます。
 ここでは、工事の時に実際に行ったミティゲーションの例を紹介します。

(事例1)【国道500号(別府市)の道路工事】

 工事区間内に絶滅(ぜつめつ)することが心配される植物が発見されたため、植物学の先生から意見をいただいて、その保護を行いました。


○ 絶滅が心配される植物を守るため、実際にしたこと ・ 絶滅が心配される植物が集中して生息している地域をできるだけさけるよう
  道路の位置を決めました。
 ・ 工事区域内にある絶滅が心配される植物は別の場所に植え替えました。

発見された絶滅が心配される植物
発見された絶滅が心配される植物

(事例2)【大分スポーツ公園(大分市)の建設工事】

 もともと山に生えていた木を別の場所に移して、サッカー場や野球場などの造成工事(ぞうせいこうじ)を行いました。
 造成工事が終わった後、もう一度木を持って帰ることで元々あった自然を再現しました。これを、「森の引っ越し」と呼んでいます。
森のひっこし

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