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大分県の代表的な産品の一つであるシイタケは、「全国乾椎茸品評会」において24大会連続で56回の団体優勝を果たすなど、全国でも高い評価を受けており、中でも豊後大野市は、県内有数の生産量を誇る一大産地となっています。
「なば山師の会」は、高い技術力を持つ旧三重町の中核生産者で構成され、品質向上のための技術交流や若手生産者への技術伝承等を行っている団体です。
対話では、人工ほだ場やハウスといった施設を積極的に導入し徹底した水分管理を実施している状況や、冬場の寒さを利用し、凍結による刺激でしいたけの発生を操作する技法「凍結散水」を確立するなど、高品質なシイタケを生産し「大分ブランド」を確立するために励んでいる状況をお聞きしました。
一方、生産者の高齢化が進み、生産量や生産者数は減少傾向にあるため、新規参入者や若手生産者の育成が急務であり、そのためには販売価格や経営の安定が必須であることも伺いました。
今後の海外輸出による販路拡大などについても意見を交わした上で、基本を大切にした高品質のシイタケ栽培に長年取り組まれていることに対し、感謝をお伝えしました。
豊後大野市農業青年連絡協議会ZACは、野菜や水稲、畜産など農業に携わる若手16名で構成されるグループです。「ざっくばらんな会」に由来するグループ名のとおり、栽培作物の垣根を越えて、プロジェクトや意見の発表、後継者への研修会、先進地視察などを積極的に行い、経営改善や農地保全等に取り組んでいます。
グループの活動は、県農業青年プロジェクト実績発表大会で優秀郡連賞を4度受賞しているほか、収益性が重視されていなかった集落営農法人の課題を解決するための取組の発表では、九州・沖縄大会において最優秀賞を獲得し、全国大会に出場するなど、高い評価を受けています。
当日は、耕作放棄地の増加に伴う水路の維持管理や、継続的に栽培・販売の指導を行う伴走型支援のご要望など、それぞれの作物を栽培するにあたっての現状や課題をお伺いしました。また、空き家となった古民家を活用して農業施設をつくり、地域内外の交流拠点とするアイデアなどもお聞きしました。
気付かなかった視点での課題を見つけることができたことに感謝し、豊後大野市と協力して支援していきたいとお伝えしました。
竹灯籠で城下町をライトアップする竹田市の秋の風物詩「竹楽」は、3日間で約10万人が訪れる一大イベントとして定着し、令和6年には第25回の節目を迎えます。
NPO法人里山保全竹活用百人会は、この「竹楽」の企画運営のほか、荒れた竹林の再生や親子森林教室などの「里山保全活動」を行っている団体です。
当日は、里山を生かしたまちづくりを100年間継続することを目標として平成12年に始まった活動の概要を伺った後、運営の中核を担う方々のお話を伺いました。
最近の物価高騰による資材費の増加や「竹楽」の人気が高まるにつれて発生してきた渋滞への対応、バスドライバーの「2024年問題」によるシャトルバスの確保などの課題のほか、新たな自主財源としてのオリジナル竹製品の開発や次世代に里山保全事業をつなぐための人材育成への取組などもお聞きしました。
「竹楽」を竹田市のイベントから県を代表するイベントに発展させ、より質を高めていきたいという皆さんの決意をお聞きし、竹田という素晴らしい文化や歴史がある地域からスタートしたことが強みであり、100年後も続く活動を目指して、県内そして全国へ発信してほしいと激励しました。
竹田市久住町白丹にある丸山自治会は、14戸35名、高齢化率57%の小規模集落です。「自分たちでやれるところまではやろう」、「行政に頼り切りにはならない」と、独自のにぎわいづくりに取り組まれ、平成27年には、夏場の涼しさを生かしたスポーツ合宿の誘致に取り組み、全国有数の陸上部など延べ700人近い選手を受け入れるなどの成果を得ています。残念ながらコロナ禍により宿泊者は絶えてしまいましたが、それでも、「やっちみよう」を合言葉に、令和3年度に田んぼを利用した立ちこぎボード「SUP」体験を始めたところ、その取組が全国的にも珍しいとして評価され、第9回スポーツ振興賞(スポーツ庁長官賞)を県内で初めて受賞しています。
当日は、皆さんのこれまでの活動についてご説明をいただき、少子高齢化の閉塞感のある地域に子供たちの声が聞こえてきた、メディアや他のまちづくり団体からの視察も多くなったなどのお話をお聞きしたほか、終活に向けたサポートやデジタル化への支援等についてご要望をいただきました。
非常に楽しい自治会で他地域のモデルとなる取組をしている丸山自治会の皆さまから元気をいただいたことに感謝し、さらなる発展のために努力していくとお伝えしました。