令和5年5月23日知事定例会見
動画はYouTube「おんせん県おおいた公式」へ
日時:令和5年5月23日(火)13時30分~
場所:第一応接室
記者会見時に配布した資料を掲載します。
梅雨時期の洪水や土砂災害に対する備えについて
毎年この時期に豪雨災害が発生しています。令和2年の7月豪雨におきましては日田市、由布市、九重町、玖珠町を中心としまして、河川の氾濫や土砂崩れなど、甚大な被害が発生しています。
こうした被害を最小限に抑えるために、事前の備えをするというのは大変重要でありますので、全国的に5月を水防月間、6月を土砂災害防止月間としまして、この時期に点検や演習を集中的に実施しています。
まず、土砂災害警戒区域等の出水期前点検です。土砂災害警戒区域、そして山地災害危険地区内に病院、老人ホーム等の要配慮者が利用する施設や、避難所等がある、301区域で点検を行い、日頃の備えに役立ててもらうために、変状の有無について、5月末までに住民の方々にお知らせをする予定にしています。
昨年も点検をしまして、すぐに応急措置が必要な箇所というのはありませんでしたが、引き続き継続的な点検を実施していく箇所が285、危険度が比較的低く、来年度以降は検査をしなくていい箇所が16ありました。このような点検を今年もやっていくことにしています。
2つ目が、河川堤防等の出水期前の点検で、県の管理している河川585、総延長が約2,869キロの内、153河川、377キロメートルで点検を行い、補修等が必要となる措置につきましては、今月末までに行う予定にしています。
3つ目に6月1日の県民防災アクションデーです。県内の市町村で、例えば大分市ですと6月1日の午前9時にサイレンを鳴らして防災について備えを促す訓練を行います。県民の皆さんには、そのサイレンの音が聞こえるかどうかを確認していただければと思います。一部市町村で実施日が異なるところありますが、基本的には6月1日に行うようにしています。
その他、ハザードマップを確認していただく、何かあった時の持ち出し品があるかどうか、おおいた防災アプリの家族グループ機能を使って、例えば遠方の家族の方、学校や出勤している方々との連絡を取りあったり、気象情報や避難状況などの共有を行うなど、この防災アプリをご活用いただければと思います。
また、6月5日に、市町村や関係機関の方々を対象とした危機管理研修会を行います。昨年では研修会に実際に参加した方が70名、オンラインでも約300名の方が参加をしており、市町村の首長さんにも参加をいただき、自然災害を初めとする様々な危機の発生に備えて、危機管理意識の向上を図っていくということをやっていきます。
危険箇所の確認はもとより、例えば逃げ濁った水が突然沸いてくるとか、ひび割れが生じるというようなことは災害の前兆というふうに言われていますので、そういうものが出たときには、できるだけ早く、ご連絡をいただくとともに、気象情報や避難道、避難場所などの防災情報をもう一度確認をしていただき、備えをしていただければと思います。
梅雨時期の洪水や土砂災害に対する備えについて [PDFファイル/100KB]
おおいた防災アプリ(チラシ) [PDFファイル/2.29MB]
大分県ため池管理システムの運用開始について
災害への備えの一環でありますが、ため池管理システムを、県内24箇所の防災重点農業用ため池に、本日5月23日から、大分ため池管理システムを運用開始します。
全県で約2,118のため池がありますけれども、そのうちの防災上、配慮が必要なため池が、約半分の1,029あります。そのうち、ため池が決壊した時に影響を受けるところ、例えば、ため池の500メートル以内に10戸以上家屋があるような、危険なところから順番に、防災ため池管理システムで、リアルタイムで現地の画像を見ることができる。そういうシステムの運用をしていきたいと思います。
豪雨などで、ため池の水位が一定以上になると、県市町村、ため池管理者などに連絡がいきます。そして、パソコンとかスマホから、水位の状況等を、確認することができるというシステムです。
この情報は県のホームページの防災ポータルサイトでも見ることができますので、雨が降って、ため池が危なそうだという時に、ため池を見に行くのではなく、先ずはこのため池管理システムを活用して、水位やため池の情報を把握するようにしていただければと思います。
ため池管理システムを活用し、ため池管理者、市町村の監視体制を強化するとともに、状況に応じて事前の適切な避難行動につなげることで、県民の安全安心を図っていきたいと考えています。
大分県ため池管理システムの運用開始について [PDFファイル/120KB]
水位計及びカメラ 設置箇所一覧表 [PDFファイル/33KB]
ため池管理システムについて [PDFファイル/271KB]
令和4年度 農林水産物の輸出実績について
令和4年度の農林水産物の輸出実績が、まとまりましたのでご報告します。
令和3年度の県の農林水産業生産額が2,260億円ということで、3年ぶりに増加した報告をさせていただいていますが、輸出実績は、令和4年度の総額が過去最高の43億3,000万円と令和3年度と比べて約7億4,000万円、20.5%の増となっています。
コロナ禍から経済活動が回復していることとあわせ、積極的に海外に対する販売促進活動に取り組んだ結果、このような実績となりました。
増加した主な品目は金額では丸太が一番多いですが、増加率から言いますと、牛肉が64.7%と大きな増加となっています。
日本全体でいうと輸出量は減少していますが、大分県では米国での取引が始まったこと、あるいは台湾や香港でコロナ禍から需要回復が図られたということで増加をしてます。
養殖ブリは、稚魚のもじゃこの不漁で生産量は減少しましたが、米国等での外食需要の回復拡大、単価の上昇により輸出額が伸びています。
また、養殖クロマグロの伸び率は非常に大きいです。中国において、昨年行われた東アジア文化都市事業と連携をして販売促進活動したことで新規取引に繋がりました。
林産物の丸太、それから製材品も非常に大きいですが、中国におけるコロナ政策の転換で物流が改善したことで輸出額が堅調に推移をしています。
農産物では梨が香港やシンガポールで新規に取引が開始されたことで増えています。
さらには、タイ、ベトナムなど新興国をターゲットにした積極的な販売促進を行っており、
その結果輸出が増えています。
今後も、海外ニーズに対応した産地づくりと、販売促進を強化したいと思っています。
令和6年度の目標57億円の達成を目指して、引き続き取り組んでいきたいと考えています。
令和4年度 農林水産物輸出実績 [PDFファイル/236KB]
第161回九州地方知事会及び第43回九州地域戦略会議について
5月31日から6月1日まで、第161回九州地方知事会議、そして第43回九州地域戦略会議が、沖縄県名護市で開催される予定になっています。
九州地方知事会議では主に3項目について議論する予定であり、1つ目は第2期九州創生アクションプランについてです。
現在は計画期間の途中ですが、その見直しということで特にデジタル関係の新規事業等を追加することとしています。
計画は九州創生の推進ということ、JEWELS+(ジュエルズプラス)という言い方をし、Job、Education、Work Life Balance、Embrace、Living、Safely&Securely、にプラスというのが女性の活躍、外国人との共生等が加わっています。それにデジタル関係を加えて、新プロジェクトとして議論をしていきます。
2つ目は、ウイズコロナにおける観光振興ということで、裾野が広い観光業の振興をさらに全九州でやっていこうという議論が行われます。
3つ目は、スポーツを通じた九州の活性化ということで、本年10月にツールド九州が福岡、熊本、大分で行われますが、自転車を使った地域振興や、沖縄ではバスケットのワールドカップが今年の夏に開催されるなどスポーツイベントが目白押しですので、こういうスポーツの振興は地域を元気づけるという観点からいかに地方創生につなげていくかという議論をしていきます。
そのほか、地方創生の加速と、こども政策などを加えて、国への要望、7つの特別決議を取りまとめる予定になっています。
また、経済界の方々も一緒になり、九州地域戦略会議を31日、1日に開催し、JEWELS+(ジュエルズプラス)の見直しについて、経済界の委員の意見をいただきながら、議論を深めていきます。この中で、九州におけるMaaS、交通を一つのパッケージにして提供するサービスや、第3期の九州観光戦略等について議論します。
会議終了後には、ツールド九州について、九州経済連合会の倉富会長と開催3県の蒲島知事、服部知事、私からコースの詳細や見どころなどを説明、発表する予定にしています。
このような取組を通じ、九州の各県知事等と意見交換をしながら、九州一つで色々な課題に向かい、取組を発展させていきたいと思っています。
記者質問
ため池管理システム
(記者)
運用開始をする24箇所の位置付けと今後の見通しは。
(佐藤知事)
全部でため池2,118箇所と言いましたけど、そのうち防災重点農業用ため池が1,029箇所あります。
昨年の予算措置で対応できたところが24箇所です。影響度の高いところであって、ため池管理者との話で、できるだけ早く、管理システムを付けたい優先度の高いところから措置をしました。
本年度の予算で、20箇所程度に設置をする予定です。補正予算措置を行う場合には、前倒しでさらに取り組みたいです。
ため池から500メートル以内のところに家屋が10戸以上あるなど、ため池が、万が一決壊した場合に、下流域への影響度が高いところから優先度をつけながら、ため池管理者の同意をいただいた上で、措置を行います。
(記者)
国の指針や他県の事例を参考にしたか。
(佐藤知事)
全国的にため池については監視カメラをつけていくことになっており、予算も国庫補助金100%の事業で実施するようになっています。水位計、監視カメラを使って、情報をリモートで安全に確認ができ、市町村では状況に応じて避難指示を発令する判断材料の一つとし、地域の方々に安全に避難していただくということができるようになっています。
国の方針も、ため池をしっかり管理をして、必要に応じて住民の方々が早く避難できるよう対応していくということですのでその方針に従った取組です。
ため池は決壊すると大変危険ですので、大変大事な事業であると考えています。
(記者)
ため池の管理を担う部門はどのようなところになるのか。
(佐藤知事)
ため池管理者は、常時、ため池の水位データや、水の捌け口に流木やゴミが溜まっていないかなど監視、確認をします。それもスマホ等でも確認ができるようなシステムになってます。
豪雨時においては出向いての確認も行いますが、このシステムだけでもかなりの状況を確認することができます。
本当に危なくなったら、現場には行かないでいただきたいです。情報は市町村にも同時に行きますので、避難指示や避難勧告などの指示をする時の材料として使っていただき、避難情報を発出していくことになります。
なお、システムの保守管理メンテナンスは県が行います。
農林水産物の輸出額
(記者)
今年度の輸出額の目標があるのか。
(佐藤知事)
目標額を立てているわけではないがこのまま順調に推移していけば、令和6年度の目標額達成もできるかもしれないと思っています。
(記者)
養殖クロマグロの輸出が増加している主な理由は。
(知事)
昨年は東アジア文化都市事業と連携した中国の交流都市での取組により、マーケットが開けたため、大分からの養殖クロマグロの輸出が始まったことが要因の一つです。
(審議監)
また、養殖クロマグロに関しては、コロナの関係で、中国への輸出がシャットアウトされ、輸出量がかなり落ちこんでいましたが、4年度で輸出額が回復しています。
(記者)
輸出に関連して、コロナ以前は知事自ら海外に出向いてトップセールスなどもあったかと思うが、今後実施する予定はあるか。
(佐藤知事)
大分市長時代には、武漢市に行って甘太くんなどの、農産物のトップセールスをやりました。観光についても行っておりましたので、そういうこともぜひやってみたいと思います。
九州MaaS
(記者)
今年度から大分県のホーバークラフトの運用が始まると思うが、九州MaaSの利用を検討する考えはあるか。
(佐藤知事)
ホーバークラフトも組み入れて、九州知事会でも議論しないといけないと思います。今回の知事会では、九州MaaSは各県それぞれ運用していますが、それを繋いで、さらに広域で便利の良い交通サービスが提供できるのかを各県で連携して議論していこうとのことです。
その中に今後、ホーバークラフトがどういうふうに入っていくのか、議論をしていく必要性が出てくると思います。
県内の感染症の状況
(記者)
感染の状況について、県としてどういうふうに評価しているか。
(佐藤知事)
陽性者の数は緩やかな増加傾向であり、注意はしないといけないですが、混乱が発生するというような状況ではありません。
引き続き、手洗いや咳エチケットなど基本的な感染対策をぜひお願いします。
あわせてインフルエンザが季節外れのような気がしますが、暖かくなっても増えており、大分市の学校で学級閉鎖が発生している状況があります。
インフルエンザについても、手洗いとや咳エチケットなど基本的な感染対策、こまめな換気などを行っていただきたいですし、咳が出たり体調が悪い時には、通勤・通学を控えていただく、医療機関を受診していただくなど、お互いに感染を広めない取組をしていただきたいと思っています。
知事着任後の感想
(記者)
知事着任後、戸惑うこと、新しい学びなどはあるか。
(佐藤知事)
日々、さまざまなレクを受けたり、いろんな方とお話をしながら取り組んでおり、少しずつ様子もわかってきましたので、円滑にスタートできているのではないかと感じしています。
(記者)
市役所時代と県庁と雰囲気の違いを感じることはあるか。
(佐藤知事)
市役所の時には、ちょっと話を聞くと、大体様子がわかることも多く、テキパキと処理ができていましたが、県庁では時間を要することが多いなという感じはしています。
やっていることがそんなに違うということではないので、議会の対応も含めて、今までの経験が、ある程度活かせているところもあるかなと思います。
補正予算編成
(記者)
補正予算の編成方針の説明もあり、肉付けの作業が進んでると思うが、知事自身の思いは反映をできているか。
(佐藤知事)
現在、補正予算編成作業の最中で、議論をする中で、なかなかうまくいかないなと思うところもありますが、新たな取組等について、フィードバックをしながら議論を進めており、県庁の担当の皆さんも一生懸命考えてくれています。
これからまだ時間がありますので、さらにやりとりを繰り返しながら作っていきたいなと思います。
豊予海峡ルート
(記者)
豊予海峡について、具体的に進んだところはあるか。
(佐藤知事)
まだ、県庁内ではそれほど取組をされていなかったと思います。
大分市では予算もかけてですね、様々な調査やシンポジウムなども重ねてきていましたので、まずはそのような情報について、シェアをしていこうということから始めています。
時間をかけて、しっかり県庁全体として取り組んでいく体制を作っていかないといけないと思っています。
(記者)
愛媛県の知事と話をしているのか。
(佐藤知事)
まずは県庁内のコンセンサスをしっかり固め、他県との話は、今年度の下期ぐらいから本格的に始めることができればと思っています。
県全体として取り組む体制をまず作っていくということが、まずは大変大事だと思います。
豊予海峡に関連した協議会や陳情の予算は毎年あるので、凍結しているわけではないです。
前知事も、取り組まないといけないことだとはずっと言っていました。ただ、将来の夢としてというふうに言っていましたので、すぐに何かできるということではないですが、もっと発信を行い、関係機関としっかり連携してやっていきましょうという意味で、そこも加速をしていくということなのかもしれません。
(記者)
肉付け予算に豊予海峡に関連する予算が出る可能性もあるのか。
(佐藤知事)
予算ではなくて、体制を作っていくところをまずやっていくのが優先かな思っています。
半導体
(記者)
台湾の企業団が大分に来た際の感触は。
(知事)
大変熱心な方々が、お見えになって、大分の半導体関連企業の皆さんも、オールスターで対応していただいた。
台湾と連携しながら取り組んでいこうという機運がさらに高まったということで、非常に有意義な機会になったと思います。
もちろん民間ベースで連携ができて、推進をしていくということも、大変望まれることでありますし、また県庁の政策として、例えば工業用地の整備、立地にあたっての設備投資に対する支援など、半導体という産業の振興に力を入れて今後進めていくことは大変重要だと思います。
今後さらに交流を深めていき、県もいろんな支援ができるのではないかと思います。
大分市との連携
(記者)
大分県と大分市のトップ同士で協議を行う予定はあるか。
(佐藤知事)
すぐに予定を立ててやるということにはなっていませんが、ぜひ連携を図りながら、進めていきたいと思います。
昨日、おおいたホームタウン推進協議会がありました。
その中で、県内のスポーツチームの選手の皆さん、関連団体の皆さんも来て一緒に交流をしました。
足立市長とも、こういうスポーツの振興も含めて、いろんなことを一緒にやっていきましょうという話をしました。
先ほどの豊予海峡に関する研究の成果は、大分市にしっかりありますから、オブザーバーとして参加してもらうことも大事だと思います。
もちろん大分市だけではなく、県内18市町村としっかり連携を図っていきたいと思っています。