令和6年7月2日知事定例会見
動画はYouTube「おんせん県おおいた公式」へ
日時:令和6年7月2日(火曜日)13時30分~
場所:第一応接室
記者会見時に配布した資料を掲載します。
福岡・大分デスティネーションキャンペーンについて
4月から3か月間、開催してきました「福岡・大分デスティネーションキャンペーン」は、6月30日に終了しました。この間、県内外からたくさんの方に県内観光地を訪れていただきました。キャンペーンの成果等については、数字等を精査しまして、改めて、お知らせいたします。
なお、9月末まで、乗り降り自由な期間限定の切符の発売やスタンプラリー等を開催する観光キャンペーン「オフろう」を、JR九州とタイアップし展開します。さらに11月の全国豊かな海づくり大会おんせん県おおいた大会、来年の大阪・関西万博、そして宇佐神宮の創建1300年祭などにつなげていきながら、引き続き大分県の観光の振興を進めていきたいと思います。
配 布 資 料:オフろう!歩いて楽しむ!福岡・大分観光キャンペーン パンフレット [PDFファイル/7.74MB]
大雨への備えについて(動画の公開について)
先月下旬に梅雨入りをしてから、梅雨前線が活発に活動しています。昨日も、西部、北部を中心に大雨となり、山国川では一時氾濫危険水位を超えるなど、大気の状態が非常に不安定な状況が続いています。
梅雨明けの時期は平年では7月19日ごろですので、それまでの間は、関係機関との連携を密にして、気持ちを引き締めて豪雨災害に備えていきたいと思います。
加えて、県民のみなさんへの呼びかけにも力を入れています。
今般、「平時から備えることの重要性」をうたう新たな動画を制作して、昨日から民放3局で流しているほかユーチューブでも配信をしております。内容は、災害への備えができているか気になって仕方のない「キニナル犬(ケン)」が、「今しちょかんと、まにあワン」と備えをうったえる内容となっています。
皆さんにも、見ていただきたいと思います。(動画15秒)
県民の皆さんにおかれましては、このCMを見たら、ご自身やご家族の命を守るため、「備蓄」、「はやめの避難」、「声かけ」ができるよう平時から備えていただきますよう、改めてお願いします。
6月30日から7月1日にかけての大雨の被害として、中津市、日田市、由布市で最大避難者数が92世帯、132人でした。住居家屋は日田市で床上浸水1件、床下浸水4件の被害がありました。道路の被害状況は32件です。今回は人命に関わるような大きな被害はありませんでしたが、相当な被害が出ておりますので、引き続き備えをよろしくお願いします。
配 布 資 料:令和6年度防災啓発動画について [PDFファイル/95KB]
新たな大分県長期総合計画(素案)、大分県行財政改革計画(素案)のパブリックコメントの実施について
これまで検討を進めてまいりました、新たな「長期総合計画」と「行財政改革計画」の素案が完成しました。昨日、7月1日からパブリックコメントを開始しましたので、概要を説明します。
まず、「長期総合計画」についてです。
『新たな大分県長期総合計画(素案)の概要』をご覧ください。
想定を上回るスピードで進む人口減少など、「時代の要請や潮流の変化」を踏まえた上で、これまでの成果を継承しつつ、大分県を新たなステージへ発展させていく道標として策定します。
策定にあたっては、県民会議を昨年9月に設置し、以来、延べ16回の会議を開催する中で、県民意識調査や全高校生へのオンライン調査のほか、地域別部会の開催により地域の皆さんの意見を伺うなど、多様な声に耳を傾け、県民の声や思いをカタチにしてきました。
基本目標には、「誰もが安心して元気に活躍できる大分県」、「知恵と努力が報われ未来を創造できる大分県」を掲げ、これらを実現させる取組を、「安心」、「元気」、「未来創造」の3分野に分けて実行します。
安心の分野では、災害対策・危機管理を先頭に据え、能登半島地震を踏まえた対策の強化などに取り組みます。
環境保全では、新たな県民運動「グリーンアップおおいた」など、県民総参加による取組を進めます。
子育てなど3つの日本一の取組は継承するとともに、障がい者の分野では、「活躍」日本一を目標に掲げ、障がい者自らの意志や希望、決定による多様な活躍を応援します。
元気の分野では、様々な業種で人手不足が深刻となる中で、あらゆる産業を支える人づくりに全庁を挙げて取り組みます。
農林水産業では、園芸・畜産の生産拡大など、成長産業化に取り組みます。
観光では、「世界に選ばれるおんせん県おおいた」を目指して、多様なツーリズムやインバウンドを推進しつつ、持続可能な観光地域づくりにも取り組みます。
未来創造の分野では、中九州横断道路などの高規格道路の整備を促進し、10年後のさらにその先を見据えた広域交通ネットワーク形成に向けた取組や2050年のカーボンニュートラル実現に向けた挑戦も盛り込みます。また、時代の要請に応え、GXやDX・先端技術の活用を政策の柱に据え、取組を加速させます。
教育では、遠隔教育システムなどを活用し、県内どの地域でも多様で質の高い教育を受けられる環境を整えていきます。
こうした取組を着実に実行していくことで、誰もがいきいきと活躍している「共生社会おおいた」、あらゆる分野で県内外から「選ばれるおおいた」を実現してまいります。
次に、「行財政改革計画」についてです。
『新たな大分県行財政改革計画(素案)の概要』をご覧ください。
新たな「長期総合計画」を支える持続可能な行財政基盤を構築するとともに、デジタルや先端技術の力を活用し、社会変革の実現に向けた取組を加速度的に進めることで公共サービス等の維持・向上を図るため、新たな行財政改革計画を策定することとしています。また、策定にあたっては、民間有識者等で構成される大分県行財政改革推進委員会と丁寧に意見交換を重ねてきました。
この計画は、本年度から2028年度までの5年間を計画期間としており、5つの項目を取組の柱としております。
まず1つ目は、「県民目線に立ったデジタル社会の実現」です。これまでも進めてきた行政分野のDXに加え、福祉保健、防災、農林、土木建築、教育などの公共性の高い分野のDXも推進し、事務事業の効率化・高度化を図るとともに、その推進に必要な人材の確保・育成や環境整備を進めてまいります。
2つ目は、「連携・協働による公共サービス等の維持・向上」です。市町村や企業、NPO、大学、地域住民など多様な主体との連携・協働の推進により、広域課題・地域課題の解決を図ってまいります。
3つ目は、「社会資本・公共施設の老朽化への対応」です。長寿命化・予防保全の推進など中長期的な視点による戦略的なマネジメントを推進するとともに、県有施設の有効活用や民間活力の活用などを進めてまいります。
4つ目は、「社会保障関係費の増加への対応」です。県民総ぐるみの健康づくり運動等により医療費適正化を推進するとともに、高齢者の就労や社会参加の促進など、活躍できる環境づくりに取り組んでまいります。
最後に5つ目は、「職員人材の確保・育成と働き方改革の推進、安定的な財政基盤の確保」です。戦略的な人材の確保や育成、デジタルの力を活用した働き方改革の推進により更なる生産性の向上を図ってまいります。また、新たな「長期総合計画」に基づき、「安心・元気・未来創造」の各種施策を着実に進めるため、安定的な財政基盤の確保に努めてまいります。
以上、新たな長期総合計画と行財政改革計画の素案の概要を説明させていただきましたが、計画の策定には、多くの県民の皆さんからご意見をいただき、さらに磨きをかけていくことが大切です。7月31日(水)までの1か月間、パブリックコメントを募集しています。県のホームページに素案の全体を掲載しておりますので、ぜひご覧いただいて、ご意見をお寄せいただければと思います。
また、同じ期間中に、部門計画である「環境基本計画」と「農林水産業振興計画」もパブリックコメントを募集しておりますので、併せてよろしくお願いします。
配 布 資 料:「新たな大分県長期総合計画(素案)」、「大分県行財政改革推進計画2024(素案)」に対する県民意見の募集について [PDFファイル/807KB]
「たなばた縁日で”えん”むすび@知事公舎」の開催について
結婚を希望する皆さんの出会いを応援するため、7月7日(日)14時から知事公舎で婚活イベント「たなばた縁日で“えん”むすび」を開催します。昨年の知事公舎開催時には、男女各13人の計26人が参加し、4組のカップルが誕生したと聞いていますが、今回は男女各20人の計40人が参加します。当日は、七夕ということに因んで、想い出に残る1日になればと願っています。
このイベントの事務局である「OITAえんむす部 出会いサポートセンター」は、こうしたイベントの開催に加え、1,400人の会員向けに1対1のお見合いサポートも実施しています。出会いの幅を広げるAIマッチングも導入するなど、サポートの充実を図り、これまで204組の成婚につなげており、当日は、そのうちの1組もお招きします。
続いて、配布資料7ページのとおり、今後、豊後大野市などの市町村や商工会議所などが主催する婚活イベントも、県内各地で随時開催されますので、結婚を希望する多くの皆さんの参加を期待しています。
引き続き、結婚を希望される皆さんに、出会いの場を提供できるよう、力を入れてまいります。
配 布 資 料:「たなばた縁日で”えん”むずび@知事公舎」の開催 [PDFファイル/1.57MB]
夏休み期間中のOPAM企画展について
5月18日(土)から大分県立美術館で開催中の福田平八郎展については、6月28日(金)に入場者が1万人を超えました。
たくさんのご来場ありがとうございます。
途中で展示替えを行い、6月18日(火)からは後期の展示を行っています。前期とは違う作品を楽しめるので、ぜひあらためて足を運んでいただきたいと思います。
最大の見所は、代表作で重要文化財に指定されている『漣(さざなみ)』です。
NHK Eテレの『日曜美術館』では、この作品は、一見抽象画のように見えるため、発表した当時は賛否両論あったというエピソードが紹介されていました。
会場には、『漣』の下絵も展示されていて、一本一本の線が考え抜かれて描かれていることが分かります。
他にも『雲』や『竹』など、自然を精緻に観察して生み出されたたくさんの作品が展示されており、福田平八郎の魅力を存分に味わえます。
会期は7月15日(月・祝)までですので、是非お越しください。
この福田平八郎展に続いて夏休み期間中に開催される大分県立美術館の企画展について2つご紹介します。
まずは、7月13日(土)から8月25日(日)まで、「養老孟司と小檜山賢二 虫展~みて、かんじて、そして かんがえよう」が開催されます。
養老孟司氏は、ご存じのように、解剖学者で無類の昆虫愛好家・昆虫学者としても知られています。小檜山賢二氏は、虫のデジタル写真家で、対象物の全てにピントがあう深度合成技法を駆使し、昆虫写真の新たな可能性を切り開いた方です。深度合成技法とは、焦点深度を多いときには数百回変えて昆虫を撮影し、焦点のあった部分だけを切り出し、デジタル合成して、全ての部分に焦点が合った一体の昆虫として表現する手法のことです。
この展覧会は、養老先生の言葉と、小檜山先生の写真を通して、驚きと不思議に満ちた「虫」の世界をご紹介します。
展示室では、大分昆虫同好会のご協力により、大分に生息する昆虫たちもご紹介します。
次に、7月26日(金)から9月8日(日)まで、「北斎と広重 冨嶽三十六景への挑戦 江戸東京博物館コレクションより」が開催されます。
葛飾北斎の名作「冨嶽三十六景」は、初めに出版された36図と、好評のため追加された10図をあわせた計46図からなる風景画シリーズであり、青を使った鮮烈な色彩と躍動感のある大胆な構図で、今なお高い人気を誇ります。本展では、新千円札の絵柄にも使用される「神奈川沖浪裏」を含め、会期中に期間を分けて全点が展示されます。
歌川広重の名作「東海道五十三次之内」は、江戸と京都を結んだ東海道の53の宿場を描いた風景画シリーズで、このなかで富士山を描いた作品などには、広重による北斎作品への意識が感じられます。
これまでも北斎と広重の富士シリーズを展示する展覧会は開催されてきましたが、本展はより踏み込んだ解釈により、江戸東京博物館の貴重なコレクションを通して、風景画で双璧をなす北斎と広重の挑戦をストーリー展開で浮き彫りにします。
夏の企画展は、子どもたちにも人気のある「虫」をテーマにした展示と、北斎と広重という日本を代表する浮世絵の名作の二本立てで行います。
特に、7月26日(金)から8月25日(日)までの1か月間は、2つの企画展が同時に開催されますので、ぜひ、夏休みを利用して、子どもから大人まで多くの方にお越しいただきたいと思います。
その他配付資料で、さきほどご説明しました「おフロう」の取組や熱中症の一時休憩所の設置、食中毒防止のための取組、夏の事故ゼロ運動、最後にインターハイのパンフレットもお配りしています。
配 布 資 料:「養老孟司と小檜山賢二 虫展」、「北斎と広重 富嶽三十六景への挑戦」のちらし [PDFファイル/6.87MB]
記者質問
「たなばた縁日で“えん”むすび」
(記者)
今回が2回目のイベント開催となるのか。
(佐藤知事)
知事公舎で行うのが2回目であり、イベント自体は複数回実施済です。
(記者)
開催時間や具体的なプログラムはどのようなものか。
(佐藤知事)
14時から17時30分までの開催を予定しています。開催スケジュールや具体的な項目については改めて後日公表する予定です。
参加された方が密に意見交換を行い、お互いを知り合えるようなプログラムでの開催を考えています。例として昨年はバーベキューを行っていました。
(記者)
今回のイベントで知事公舎を使うことの意義や目的は。
(佐藤知事)
知事公舎はこうした公的なイベントで県民の皆さまに利用していただければよいと思い会場として用意しました。参加者にとっても知事公舎を利用する珍しさもあり、参加希望者も多く反応は良かった印象です。
長期総合計画などのパブリックコメント
(記者)
個別の課題があるなか、今回の改訂の特徴的な部分について知事のお考えは。
(佐藤知事)
1年前倒しで策定を始めたところが1点目です。
また「安心」、「元気」、「未来創造」のこれから進めたい3つの分野に政策・施策を分け、それぞれに知見のある委員の方も含めて議論を行い、課題を検討したところが2点目の特徴です。特に少子高齢化対策について深く議論が行われています。
3点目は、県民意識調査に加えて、大分県内の全高校生に対してオンライン調査を行うなど、幅広く意見を募集して素案をまとめたところが特徴だと思います。
これまでも県民の皆様からは多様なご意見をいただいていますが、今回のパブリックコメントがご意見をいただく最後の機会になるため、ぜひ沢山のご意見を頂戴したいと思います。いただいたご意見も踏まえ、計画案を9月の議会に提出する予定です。
(記者)
パブリックコメントの意見数を集める工夫、集約の仕方にお考えは。
(佐藤知事)
パブリックコメントについては一件一件の意見に対して直接返答は行わないものの、ご意見を計画のどこに反映したかなど、策定県民会議で説明し、審議いただく予定としています。
また、審議結果は県ホームページ等で公表するため、いただいたご意見がどのような形で反映されたか、どのような意見を何件いただいたかなど、可能な限り意見を出した方にもわかるような仕組みを作る予定です。
地方自治法の一部改正
(記者)
国会で地方自治法の一部改正が成立したことへの受け止めは。
(佐藤知事)
包括的な指示の条項が入りましたが、政府側からすると、新型コロナウイルス等の経験を踏まえてそういう条項を設けておきたいということだと思います。全く理解できないわけではありませんが、基本的には私は個別法で規定すべきであると思っています。ただ、実際に指示を行うにあたって、自治体の意見も聞きながら丁寧に対応を行うといった内容が附帯決議等に記載されているため、ぜひ地方自治の本旨を損なわないような形で運用を行ってもらいたいと思います。
(記者)
そのような考え方の下で、今回の国会での議論をどのように見ていたか。
(佐藤知事)
附帯決議等を見ると、全国知事会や有識者の意見が踏まえられているとはいえ、想定される事態があるのであれば、それを個別法で規定すべきかどうかを議論すべきだと思います。
ただ、想定されない事態が起こった場合を考慮すれば、予防的にこのような規定が必要だということについてはある程度理解できると思います。
電気代、ガス代の補助金
(記者)
電気料金、ガス料金などの支援を追加で行うといった国の方針に対するお考えは。
(佐藤知事)
電気料金やガス料金の高騰によって、厳しい状況が生じることに対する措置が必要であるとの判断ですが、国の状況を確認しながら、県としても補助金の必要性を検討していきたいと思います。これまでの実績ですが、具体的にはLPガスや特別高圧で受電する中小企業に対する支援等は県が単独事業として行っていました。全体の予算措置としては、特別交付金がありましたので、財源は国が措置する形式です。そうした支援が今後どのようになっていくか国の方針も確認しつつ、県としても引き続き状況確認していきたいと思っています。
(記者)
今回、国から突然の発表だったと思いますが、そのことについてお考えは。
(佐藤知事)
円安の影響等もあり、さらなる家計圧迫が想定されるため、その状況を踏まえた判断だと思います。
新紙幣発行
(記者)
明日(7月3日)新紙幣が発行され、大分県中津市ゆかりの福澤諭吉氏も肖像が採用されて40年間の役目を終えるが受け止めは。
(佐藤知事)
福澤諭吉先生の肖像が40年間使用されたことは大分県民として誇りに思います。40年間、大変お疲れさまでした、と感謝の意を込め、労いの言葉を贈りたいと思います。
福岡・大分デスティネーションキャンペーン
(記者)
単独ではなく、福岡県と一緒にキャンペーンを行ってよかった点は。
(佐藤知事)
観光は大分県のみで完結するものでなく、県境を越えて行われるものでもあるため、今回のキャンペーンでは、福岡県と大分県を跨いで楽しめるコースを紹介していたこともあり、2県の魅力が同時に楽しめる旅行が提案できたことがよかったと思います。今回のキャンペーンをきっかけに私自身も今まで知らなかった福岡県の魅力を知ることができました。「かんぱち・いちろく」号なども、2県で取り組んだ成果だと思います。
(記者)
経済効果等の数値成果のとりまとめはいつごろ発表予定か。
(佐藤知事)
経済効果の目標は、大分県120億円、福岡県230億円、合計350億円と設定しておりました。結果の公表時期については現状未定ですが、できるだけ早くしたい。
(商工観光労働企画課)
今から市町村のイベント等も含めて集約していき、最終的には9月、10月の実行委員会に向けて整理していきます。