令和6年4月16日知事定例会見
動画はYouTube「おんせん県おおいた公式」へ
日時:令和6年4月16日(火曜日)13時30分~
場所:第一応接室
記者会見時に配布した資料を掲載します。
台湾地震及び熊本地震について
4月3日に、台湾東部で大規模な地震がありました。被災された皆様にお見舞いを申し上げます。
発災翌日の4月4日に、台北駐福岡経済文化弁事処長あてお見舞い状をお送りしたほか、8日に処長が本県にお越しいただいた際には、直接、お見舞いの気持ちをお伝えしました。
本日から、日本赤十字社義援金の募金箱を県庁舎の3か所に設置しました。県民の皆様には、ご協力をいただければと思います。
また、本日、熊本・大分地震の本震が発生して8年目となります。
県内では最大震度6弱の地震が別府市、由布市で発生しました。
地震の直接的な揺れによる死者はいらっしゃいませんでしたが、関連死が3名いらっしゃいました。改めてご冥福をお祈りします。
この時を契機として、本県では防災局を設置し、市町村との情報共有システムの更新や、SNSを使った情報の収集・発信、避難所運営マニュアルの見直しなどを行ってきています。
能登地震においては、孤立地域からの2次避難、避難所運営など様々な課題があると聞いておりますので、それらを教訓として、災害に強い県土づくりに取り組んでいきたいと思います。
配 布 資 料: ・配布資料なし
令和5年度企業誘致及び農業への企業参入の状況について
令和5年度の企業誘致について、平成13年度から分譲を開始した大分流通業務団地の最後の2区画が成約し、全94区画の販売が完了するなど好調に推移し、企業誘致数は60件となりました。
なお、新規雇用者は613人で昨年度から少し減少しましたが、設備投資額の824億円は平成19年度以来、過去最大となりました。
業種別では、輸送用機械が14件と最も多く、次いで、システム開発などの情報通信が13件となっています。
地域別では、中部地域で情報通信関連企業やコールセンターなどのサービス企業の進出が堅調で20件、次いで、北部地域で自動車関連を中心に投資が進み16件となっています。
次に、農業への企業参入については、資料2ページのとおり、令和5年度は21件で9年連続20件を達成し、平成19年度からの累計では、379件となりました。
参入効果として、目標産出額が約23億2千万円、農業従事者は283人の雇用増、活用農地面積233㏊を見込んでいます。
特徴としては、県外からの参入が9社となっているほか、業種別では、農業・畜産業から9社、品目では野菜が6割以上を占めています。特に、国東市の農業法人と経営力・資金力のある大手商社の子会社が連携し、「たまねぎ」の大規模栽培に参入しました。
また、「ねぎ」の大規模栽培を行っている県外農業法人の参入があるなど、今後の大分県農業を牽引する企業の参入に弾みがつくものと期待しています。
今後も、県内外からの大規模な農業参入や異業種参入に力を入れるとともに、農地の有効活用や地域の雇用増につながるよう、引き続き取り組んでいきます。
配 布 資 料:・令和5年度企業誘致及び農業への企業参入の状況について [PDFファイル/156KB]
農業水利施設の取水前点検について
農業水利施設の取水前点検について、防災重点農業用ため池と、農業用水路の2つについて、3月18日から点検に入っています。
豪雨や地震等で、ため池が決壊すると、周辺の家屋等の被害や人的被害も起こります。
防災面と円滑に田植えが行えるように、農業水利施設の取水前点検を実施しています。
まず、防災重点農業用ため池は、全部で1,027か所について4月23日までにため池管理者にて点検をしていただきます。
点検の結果、異常が見られた場合には、ため池保全サポートセンターに報告をしていただき、センターの専門スタッフが技術的な指導・助言を行うことにしています。
農業用の用水路311路線については、管理を行う土地改良区が4月23日までに点検を行い、必要な箇所について速やかに補修を行います。
用水路やため池では、こどもが落ちて亡くなる事故が過去に起こっていますので、そういうことがないように、災害の未然防止や農業用水の安定供給に向けて取組を行います。
点検結果はまた改めて報告させていただきます。
配 布 資 料:・農業水利施設の取水前点検について [PDFファイル/106KB]
DC等の観光情報及びツーリズム戦略の見直しについて
福岡・大分デスティネーションキャンペーンが4月1日から始まり、4月6日に団体列車が大阪から来まして264名の方をお迎えしました。
県内の観光事業者さんなど約300名でお迎えをして、関西方面から来た方々も、温かいおもてなしをしていただいたということで喜んでいただいたのではないかと思います。
これに続き4月20日にイオンモール福岡で、福岡・大分デスティネーションキャンペーンとふるさと納税のPRをします。
ゴールデンウイークに向けて、かんぱち・いちろく号の運行開始や、デスティネーションキャンペーン特別企画など県内各地でたくさんの催しがあります。
周遊バスの運行も行っていますので、ぜひメディアの皆様からもまた取材していただいて、発信いただければと思います。
そういった中で、今年は長期総合計画のアクションプランである、「日本一のおんせん県おおいたツーリズム戦略」改定の年度に当たります。
まずは、これまでの観光客の動向や受入環境等、観光を取り巻く現状を深掘りして分析した上で、コロナ後の旅行需要変化や為替変動、国内及び世界の潮流なども念頭に置きながら、観光関係者と議論していきます。
具体的には、これまでも戦略推進にご協力いただいております委員の皆さんとの議論を5回ほど予定しています。
また、観光は、経済的に関連する産業の裾野が広いことから、市町村や観光協会はもとより、飲食店や農林水産事業者など幅広く声を戦略に反映させるべく、地域独自の声も聴かせていただくため、振興局単位での意見交換会を複数回実施するとともに、随時アンケートを行うことやパブリックコメントも予定しています。
幅広く、様々なご意見をいただきながら、令和7年度から9年度の「おんせん県おおいたツーリズム戦略」を、県民の皆様とともに作り上げていきたいと考えています。
配 布 資 料:・DC等の観光情報及びツーリズム戦略の見直しについて [PDFファイル/2.67MB]
記者質問
企業誘致
(記者)
企業誘致を進めるにあたって産業用地の確保が重要になってくると思うが、現在の県の取組は。
(佐藤知事)
実際に企業の皆さんにニーズを聞きますと、用地の確保は大変重要だと感じています。
市町村が行う工業用地等の整備に対する支援措置を新年度の予算措置で拡充していますし、大分市長との意見交換をした時も議論しましたが、民間が開発をして、それを分譲する工業用地の第1号が大分インターチェンジの近くに整備されているところです。
(記者)
コンスタントに企業誘致ができているイメージがあるが、県南エリアには少ないなど、誘致先に課題もあると思うが、それについての考えは。
(佐藤知事)
県南で言いますと、これから、CO2や水素利用などの関係でニーズも非常に高くなっています。
そういうことに関する、支援措置や実証が必要であればプロジェクトを引っ張ってくるというような形で、連携をしていけることは多いと思います。
佐伯の方も水産加工などが非常に盛んになっていますが、まずは人材確保のところでしっかり協力をしていくことを考えています。
外国人の方々の日本語教育や住環境の整備に対する施策も入っています。
あわせて、造船についても、非常にニーズが高まってきていますので、そういうところでしっかり支援すべきところを取り組んでいきたいと考えています。
(記者)
R5設備投資額824億円で前年度に比べて約4倍に増えた要因があれば。
(商工観光労働部審議監)
企業の希望により公表しているもの、公表していないものがあるが、R5の増加は公表していないもので大型の投資案件があったことによるものです。
(佐藤知事)
県庁で立地表明式をやることもありますが、やっていないものもあります。それは、ライバル社とかに知られないでやりたいというところがあるからです。そういう時には、投資額なども含めて、全部非公表になるものもあります。
ツーリズム戦略
(記者)
ツーリズム戦略について課題と考えていることは。
(佐藤知事)
いろんな課題がありますが、インバウンドについて欧米に広げていくための戦略やアドベンチャーツーリズム等の旅行者参加型の観光をどういうふうに広げていくかなどが課題になってくるかなと思います。
(記者)
次のツーリズム戦略の期間で、想定している大きなイベントなどはあるか。オーバーツーリズムも言われているが。
(佐藤知事)
期間の初年度には大阪・関西万博や宇佐神宮創建1300年があるが、それ以外はそれほど大きなものは今のところないと思います。
万博では瀬戸内を回って本県に来てもらおうという話もしている。
他県との連携も含めて、誘客を行えるようにしていきたいと思います。
特定利用空港・港湾の指定
(記者)
政府が総合的な防衛体制強化の一環として、平時から自衛隊や海上保安庁の使用可能な特定利用空港・港湾を指定することになったが、大分県に対して要請があったか。
(佐藤知事)
大分県には話は来ておりません。
自衛隊再編
(記者)
自衛隊の県内での再編計画に関して受け止めは。
(佐藤知事)
自衛隊の部隊編成は国が判断して行っていることでありますので、県としてコメントする立場にはないと思います。
地域の方々が不安に思っているところがありますので、国防に関することですので説明できること、できないことがあると思いますが、九州防衛局等には、しっかりと地域住民の皆さんに説明をして、不安を解消するように取り組んでもらいたいと思っています。
国民スポーツ大会
(記者)
国民スポーツ大会に関する廃止等の議論について、知事の考えは。
(佐藤知事)
大分では国民体育大会を1966年と2008年の2回開催し、スポーツに対する県民の取組が強化されたと思います。
国民スポーツ大会の開催について、例えば、開催地や運営方法をどうするのかなどの議論はしっかりやっていくべきだと思います。
また、費用負担のあり方も含めて検討すべきではないかと思います。
スポーツを取り巻く環境が変わってきている中で、これまでと同じ形で開催するのが良いのかという議論はすべきだと思います。
県だけで議論できる話ではないので、国民的な議論が必要ではないかと思います。
(記者)
自治体の費用負担が大きいという理由で反対する知事も多いようだが。
(佐藤知事)
費用負担の在り方も含めて、検討すべきだと思います。
今年行われる佐賀での国民スポーツ大会では、射撃は大分県の由布市で行うなど、かなり広域で取り組むようになっています。
いつから議論するかも含めてしっかり議論をしていくとよいと思います。
地方自治法改正案
(記者)
地方自治法改正案について知事の考えは。
(佐藤知事)
様々な議論があると思いますが、基本的には個別法で規定をすべき事項ではないかなと思います。
必要最小限の範囲で、十分に協議・調整をしていくことが重要だと思います。
宇宙港
(記者)
ヴァージン・オービット社が破産申請をして1年経過したが、宇宙港計画についての今の状況は。
(佐藤知事)
シエラ・スペース社のドリームチェイサーのアジアにおける着陸拠点となることを目指し取組を進めています。
実現に向け、国内法の整備が必要になりますので、外務省や経産省など関係機関に着陸に向けた整備について要請等をしています。
数年のうち、大分空港に降りてくることになる可能性もありますので、準備していきたいと思います。
静岡県知事の退任
(記者)
静岡県知事が退任すること、進展が予想されるリニア中央新幹線についての見解を。
(佐藤知事)
ご退任の件についてコメント等は控えたいと思います。
東京・名古屋・大阪等の大都市の経済が一体化していくという意味でも、リニアが早期に完成するというのは大変重要なことだと思います。
知事就任後1年
(記者)
就任から1年を振り返っての受け止めは。
(佐藤知事)
改めて大分県は非常にバラエティに富んでおり、様々な行政ニーズがあると感じています。
この1年間よかったと思うのは、地域の祭りやイベントがコロナ前と同じように開催できるようになってきたことです。
少しずつですが、地域の元気・活力が戻ってきており、産業の状況についても、元気が戻ってきているのではないかと思います。
ただ片方で課題は山積しています。
新長期総合計画の議論を今進めており、今年の秋に議会にお諮りする予定ですが、この議論の中で、これからどういうふうな取組が必要かという議論が職員の皆さんとかなりできていると感じています。
(記者)
広域交通や産業以外で取り組まないといけないと感じているものは。
(佐藤知事)
1つはやはり地域の活性化です。
農業や観光、畜産業などを担う、地域の皆さんがいきいきと活力を持って取り組んでもらえるよう、やっていかないといけません。
また、地域の高校がしっかり地域の中核として活躍できる教育環境を整えることも大切だと思います。そのことが、こどもたちの未来にも繋がっていくと思います。
(記者)
知事自身この1年を振り返り、自己採点として100点満点中何点か。
(佐藤知事)
自分自身で点数を付けるのは難しいですね。これはお任せします。
(記者)
県民に対して実施した、知事就任1年の県政運営に関するアンケートの中では、独自色を出して欲しいという意見があった。その点について、どのように受け止めるか。
(佐藤知事)
独自色を出すというより、様々な県民の皆さんの声を聞いて取り組みたいと思っています。
県政ふれあい対話も実施して、県民の方々意見交換させていただいています。
県民の方々との意見交換だけでなく、新長期総合計画に関する議論や県内市町村長との議論など様々な場面で議論したものを一つ一つ積み上げて、施策にしていくことが大事だと思います。
私が思いついたことを、やるということだけでなく、しっかり議論を積み上げて、丁寧に進めていきたいと思います。