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少雨・高温対策マニュアル(野菜)

印刷ページの表示 ページ番号:0000292105 更新日:2025年5月27日更新

少雨対策(野菜全般)

1.少雨・干ばつの被害状況
 長期間にわたって降雨がないときは、土壌の過乾燥や、ため池やダムの貯水量減少により農業用水が不足し、野菜生産に被害を生じることがある。5~9月の干ばつでは、直播き野菜の不発芽や、苗定植後の活着不良、生育遅延が起きやすくなる。また、施肥効果が出にくくなったり、高温乾燥時に発生が多くなる病害虫の被害が増える。
 
2.対策
(1) 定植後の土壌表面からの水分蒸発を抑制するためにマルチや敷きわらを使用する。マルチの上から敷きわら等を厚く行うと地温上昇の防止に効果があり、少雨環境下でも、草勢を維持しやすい。
 
(2) かん水は、時間帯に注意し、涼しい時間帯の早朝・夕方に実施する。晴天が予想される日は、特に早朝にかん水を行う。また、定植直後の場合は、株元に水がかかるよう注意する。
 
(3) 高温乾燥時は、ハダニ類、アブラムシ類、うどんこ病等の発生が多くなるため、発生動向に注意し、早期発見、適期防除に努める。
 
(4) 農業用水の確保のため、関係機関との調整を図り、計画的な取水ができるよう準備する。また、根本的な対策として、畑地では用水、灌漑施設の導入を検討する。
 
(5) 干ばつの状況によっては、品種や品目の見直しが必要な場合がある。詳しい内容には、地域を管轄する県地域振興局生産流通部へ相談する。

高温対策(野菜全般)

1.対策
(1) 高温影響を軽減するため、高温となる前の期間の生育を十分に確保する。
 
(2) 地温上昇の抑制や土壌水分の保持を図るため、地温抑制マルチや敷きわら等を活用する。
 
(3) 施設栽培では、つま面・側面等の換気を開放するとともに、屋根面に塗布剤や遮光資材等を使用し、ハウス内気温、葉温、果実温の上昇を抑制する。
 
(4) 薬剤散布を行う際は、高温時は薬害を生じやすいので気温の低い時間帯に行う。
 
(5) 露地野菜で、高温環境下で播種するものは発芽不良が考えられるので、種子の確保、品種、作型等十分考えておく(播種が遅くなれば早生種にかえるか品目を変える)。
 
(6) 収穫調整作業は品温が上がらないうちに行い、予冷庫に入れ品質低下を抑える。
 
(7) 草勢低下防止のために少量多回数のかん水・施肥体系を取る。

各野菜の対策

〔露地野菜〕
1.ピーマン、なす
(1) マルチの上に敷わら、敷き草を多く置き地温の上昇を抑える。かん水は、早朝か夜半の地温が低下した時間帯に行う。または、少量多かん水をする。
 
(2) 適期収穫を行い、大果収穫による草勢低下を防ぐ。また、収穫は早朝に行い品質低下を防ぐ。
 
2.白ねぎ
(1) 夏秋どり(7~10月頃)においては、高温時に水が滞留すると軟腐病や白絹病を助長させるおそれがあるため、長時間水が滞留しない土地条件である場合を除いてかん水は控える。やむをえずかん水する場合は、根の呼吸量が低下する日没後で、地温が低下した後に実施する。
 
(2) 秋冬どり(11月以降の収穫)においては、定植直後で活着が不安定になると欠株となりやすいので、水が滞留しないように注意して日没頃のかん水を行う。
 
3.キャベツ、レタス等
(1) 定植直後の苗については活着を促すため4~5日間は株元にかん水する。マルチや敷きわらを行い、地表面からの水分の蒸散や地温の上昇を防ぐ。
 
4.かんしょ
(1) 少雨の際は、定植後にレインガン・スプリンクラーなどで散水すると、活着が安定する。
 
(2) 生育期の少雨に対しては、散水設備の活用が可能な場合は、日中の大半を散水する。排水対策も併せて実施し、湛水しないよう注意する。
 
5.8月以降に定植・播種するはくさい、ほうれんそう、にんじん、だいこん、その他葉菜類
(1) 発芽を早く揃えるために、催芽種子を用いるとともに、播種圃場には前日に十分かん水しておく。
 
(2) 播種は早朝か夕方に行い、播種直後にはべたがけ資材、敷わら等を利用して地温の上昇を抑え発芽を早く揃える。
 
〔雨よけハウス栽培・施設栽培〕
1.トマト、ピーマン、きゅうり
(1) ハウスのつま部分を開放するとともに、肩部分は可能なかぎり上げて、ハウス内の通気を行い温度を下げる。遮光する場合は、ハウス外部に遮光を行う方が効果が高い。
 
(2) 適期収穫を行い、収穫遅れによる草勢低下を防ぐ。また、収穫は早朝に行い品質低下を防ぐ。
 
(3) 地温の上昇を抑えるために、マルチの上から敷わら、敷き草等を行う。
 
(4) かん水は早朝か夜半にするか、少量多かん水をする
 
(5) 乾燥によってうどんこ病やハダニの発生が多くなるので防除を徹底する。
 
2.にら
(1) ハウスのつま部分を開放するとともに、肩部分は可能な限り上げ、ハウス内の通気を行い温度を下げる。
 
(2) 収穫2~3日前に、品温を上げないために寒冷しゃ(遮光率40~50%)を被覆する。
 
(3) 収穫は早朝に行い、品温が上がらないうちに調製作業を行い、予冷庫に入れ品質低下を抑える。
 
(4) かん水は水温の高い時間帯を避け早朝か夜半に行うが、収穫4~5日前までとする。
 
(5)冬にらの定植にあたっては、十分にかん水するとともに、定植時から1週間程度被覆資材を活用し地温を下げ、定植後の植え傷みを防ぐ。
 
3.こねぎ
(1) ハウスのつま部分を開放するとともに、肩部分は可能な限り上げ、ハウス内の通気を行い温度を下げる。
 
(2) 播種直後には、寒冷しゃ、べたがけ資材等を利用して地温の上昇を抑え発芽を早く揃える。
 
(3) 収穫は早朝に行い、品温が上がらないうちに調整作業を行い、品質低下を抑える。
 
(4) 水切りは行わず、かん水の量を減らすだけで収穫まで少量かん水を続ける。
 
4.いちご(育苗)
(1) 育苗ハウスの遮光により、育苗施設の温度を下げる。
 
(2) ハウスのつま部分の開放や肩部分の換気など、ハウス内の通気を良くし温度を下げる。
 
(3) 親株の乾燥、過湿を防ぐため、細やかなかん水を行う。
 
(4) 立枯性病害予防のため、週1回の定期的な予防散布を行う。
 
(5) 苗が混み合わないように葉かきの実施や苗間隔を広げ、蒸れと水はねの軽減を図る。
 
(6) 病害の発生が疑わしいものは、早期に除去する。
 

 

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