'."\n" ?> クモ形類多足類等の見直し点 - 大分県ホームページ

クモ形類多足類等の見直し点

1  クモ目
  大分県下では約600種を確認しているが、これは国内産種64科約1,500種(2009年8月現在)の40%にあたる。大型種で目視しやすいものが多く、微細な種についての研究はまだ進展していないから、今後の種数増加が期待される。
  クモ目の生態系での位置づけは、ダニ目、ザトウムシ目、カニムシ目などとともに、昆虫や鳥類との関わりで連鎖を示す性質をもっていて、それらの個体群規模をある程度コントロールする役割を果たしている。
  今回のレッドデータブックの調整や見直しにあたっては、解明が進みつつある微細なクモ類の群れの劣化を防ぎ、保全を提唱する目的を意識した。
  次に世界的にも注目されている古い生命体であるキムラグモ類に関して日本列島の北限生息地帯のキムラグモ・ブンゴキムラグモなどの保護・保全に緊急性があるため、可能な限り「地域個体群」としてクローズアップしレッドデータブックに掲載することで群れの劣化を防除するベースを求めようとした。
  今回の調査で佐伯市のカグラゴマグモなど重要種が発見された成果もあったことを記載しておく。

2  ダニ目
  ダニ目は7亜種に分けられるが、そのうちササラダニ目は分類学的に最大の種数が検知されている。ササラダニ目は土壌中に生息するダニで、植物遺体を無機栄養体に分解する機能を活かして栄養に富んだ土壌をつくる役割を果たすことで、人類にとって極めて重要な生物である。
  従来、殆ど注目されることのなかった分野であったが、レッドデータブックを創成する目的からすると、この重要な生物の現状を早く把握し、その群れを健全な状態で保全することは、レッドデータブック本来の目的にそったものと理解する。
  ことに、注目すべき種群から順次掲載を進め、未解明であった自然界の変化を知る指標(靑木淳一博士)としての保全を図るため、掲載することにした。
  ササラダニの種類がどう混じり合っているかを調べると、自然環境や人為環境などの「自然の質」を客観的に評価できる手法が国際的にも認められ(靑木方式)、数量化できる自然評価法として唯一注目されている。大分では既にこの方法で今回の見直し調査の際に、県下の自然を数量的に評価する試みを併行的に取り入れて調査中であることを記載しておく。

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