鳥類の見直し点
1 概況
日本に生息する鳥類570種(外来種を除く)のうち,県内で観察された記録があるものは352種である。そのうち,絶滅のおそれのある種として,81種を選定した。
2 選定種について
2001年のレッドデータと比較すると,ランクが上がった種は新たにランク入りした6種を含め17種,下がった種は9種であった.夏鳥の繁殖個体数が少なくなった種がランクを上げた.また,観察頻度が低い希少種については,この10年間に得られた情報量の多少が,情報不足とランク入りとを行き来する結果になった.
大分県選定種のカテゴリー定義は,環境庁のレッドリスト(2006)のカテゴリーに準拠し,次のような配慮を加えた。
・迷鳥として大分県内で観察される場合や,渡り鳥で大分県を単に通過するだけの種は除外した。ただし,シギ・チドリ類のように休息,中継地として大分県内の環境を利用している種は含めた。
・大分県の環境がその種の繁殖や生息にとって重要であり,生息環境の悪化や生息数の現象がみられるものについて評価を行った.冬鳥についても同様に取り扱った。
・全国的にみて数少ない繁殖地が大分県内に存在する種.あるいは繁殖南限である種については,「地域個体群」とした。
・大分県内への飛来が不定期的で,観察記録が少ない種は「情報不足」とした。
なお,鳥類は移動能力が高く,希少種では生息数や飛来回数が少ないため,十分な生息状況の把握ができなかったため,環境庁や近県のレッドリスト指定状況,生息状況も参考にした.
3 選定種の種名について
学名や和名の配列は,「日本鳥類目録」(2000)に従った。鳥類のレッドリストは,環境庁をはじめ国内の関係法令や国際条約も,亜種を単位に取り扱われているが,大分県レッドリストではすべて種を単位として扱っている。亜種を区別する必要がある場合には,本文に説明をつけた。これは,野外の観察では亜種の識別が困難である場合が多いため,亜種単位の情報収集が困難であること,また,一部の種では,一般的に使われている種名と県内で観察される亜種名が異なることがある(亜種キュウシュウフクロウ,亜種アカヤマドリなど)といった理由によるものである。