蘚苔類の見直し点
1 見直しの調査により、絶滅のおそれのある種の総数は前回蘚類31種であったが今回、絶滅のおそれのある種として新たに苔類を含めて13種が追加され、44種となった。
2 新たに追加された13種のうち、コバノイクビゴケなど6種は環境省2007年見直しレッドリストに照らし合わせて選定した。また、エゾチョウチンゴケなど7種は生育分布や生育の状況など調査の結果を基として選定した。
3 選定カテゴリーが変更された種は9種であった。その内、前回よりもカテゴリーが上位となった種はトサヒラゴケなど5種であった。中でも前回、台風により着生する樹木が流失し、情報不足であったタチチョウチンゴケは今回、新たに着生する樹木1本が確認され、カテゴリーを明確にした。また、前回、カテゴリーが明確であったヌマシノブゴケは調査を重ねたが生育の把握が出来ず、情報不足とした。今後の継続調査が必要である。
4 絶滅のおそれのある種として選定された44種のうち、コモチネジレゴケ(IA 大分市市街地の公園)、アオシマヒメシワゴケ(IA 佐伯市上浦町暁嵐の滝)、タチチョウチンゴケ(IA 中津市深耶馬渓駐車場)、マキハキヌゴケ(IA 九重町天ヶ池貯水池湖畔)の4種はいずれも樹幹に着生し、県内でわずかに1~数本に着生している。工事や樹木の整理など、人為的影響を受ける危険性が高い。着生木の早急な保護対策が望まれる。