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大分県有種雄牛紹介(令和3年9月現在)
寿恵高福(すえたかふく)
「寿恵高福」は、大分県を代表する藤良系種雄牛「寿恵福」の後継牛です。
脂肪交雑能力が非常に高く、令和3年度の脂肪交雑基準値の推定育種価は県有種雄牛の中でトップを誇ります。
発育に優れる気高系雌牛への交配が望まれます。
平福安(ひらふくやす)
「平福安」は、大分県を代表する藤良系種雄牛「寿恵福」の後継牛です。
本牛は県内で広く供用されており、産子の枝肉成績は質・量ともに安定しています。
本牛は第11回全国和牛能力共進会第7区(総合評価群)出品牛の父牛として選ばれ、優等賞3席を獲得しました。
種牛性、産肉性の両面で高く評価されています。
前躯幅に優れる気高系雌牛との交配が望まれます。
隆之森(たかのもり)
「隆之森」は、本県と異なる由来の藤良系種雄牛「隆之国」の凍結精液を導入して造成された藤良系種雄牛です。
脂肪交雑基準値の推定育種価(R3年度)は、県有種雄牛中で「寿恵高福」に次ぎ2位でした。
現場後代検定合同調査会(R1年度)では、出品牛3頭のうち2頭がA5-12、枝肉重量も500kgを上回り、高い産肉能力を発揮しました。
隆白鳥(たかしらとり)
「隆白鳥」は、「糸福(大分)」由来の藤良系を血縁に持つ母体との交配が可能な藤良系種雄牛の造成を目的に、玖珠郡和牛育種組合で「隆之国」の凍結精液を導入し造成された種雄牛です。
現場後代検定における去勢牛の肥育成績(平均)は、枝肉重量507kg、BMS No.7.9と良好な成績を残しました。
体型は体幅、肋張りに富み、産子の発育は良好です。
県内雌牛へ幅広く交配可能です。
光星(みつぼし)
「光星」は、兵庫県より導入した但馬系種雄牛「光照福」の後継牛として造成された種雄牛です。
体型面が非常に優れており、第10回全国和牛能力共進会第1区において農林水産大臣賞を獲得しました。
繁殖雌牛の体型改良が期待されます(前中躯幅、肩付き、背腰の強さ等)。
安森照(やすもりてる)
「安森照」は、家畜改良事業団の種雄牛「光平照」の凍結精液を導入して造成された但馬系種雄牛です。
安美土井の血統が色濃く、現場後代検定の肥育成績(去勢)では良好な脂肪交雑能力を発揮しました。
一般出荷では小ザシでもモモ抜けに優れ、枝肉重量が600kgに迫る個体が現われるなど、質・量ともに安定した成績をあげています。
発育に優れる気高系雌牛への交配が望まれます。
文照福(ふみてるふく)
「文照福」は、「ふみ系」の系統再構築を目的として造成された但馬系種雄牛です。
第11回全国和牛能力共進会第4区において、内閣総理大臣賞を獲得しました。
質・量ともに安定した産肉能力に加え、オレイン酸生成能力に優れることから「ふみ系」の再構築に十分活用可能です。
気高系雌牛との交配により体型面の改良も期待されます。
睦美幸(むつみさち)
「睦美幸」は、宮城県有種雄牛「茂洋」の凍結精液を導入して造成された熊波系種雄牛です。
良好な脂肪交雑能力と枝振りが強みで、特にロース芯面積の推定育種価(R3年)は県有種雄牛中でトップを誇ります。
本牛の父は熊波系ですが、藤良系よりも気高系との相性がよく、大型の繁殖雌牛との交配が望まれます。
茂藤竜(しげふじりゅう)
「茂藤竜」の母である「ふくしげ3」は「糸福(大分)」をはじめ多くの種雄牛を輩出する「第7ふゆ系」の系統雌牛です。
本牛はこの「第7ふゆ系」の維持・拡大と産肉性の向上を目的に造成された種雄牛です。
現場後代検定の調査牛肥育成績(去勢)は、質・量ともに良好な成績となりました。
体型・産肉能力に優れることから、系統再構築への活用が期待されます。
松吹雪(まつふぶき)
「松吹雪」は、「たから系」母体に「玉吹雪号」を交配して造成された大分県独自の稀少系統「龍門」につながる種雄牛です。
現場後代検定では、産子の肥育成績が去勢・雌ともに肉質・枝肉重量・脂肪の質において優良な成績をおさめました。
詳しくは、特集ページ「現場後代検定で好成績!「松吹雪」号の紹介」をご参照ください。
但馬系雌牛との交配を推奨します。