一ツ松城跡発掘調査速報
印刷用ページを表示する掲載日:2023年9月7日更新
一ツ松城跡発掘調査速報
事業名
都市計画道路外馬場錆矢堂線街路改良事業に係る埋蔵文化財発掘調査
所在地
中津市大字一ツ松
調査期間
令和5年6月12日~令和5年7月11日
調査概要
一ツ松城跡は、中津平野の沖積地に立地します。明治時代に書かれた書籍には、この付近に城があったという記述がありますが、現状では堀や土塁など城郭に関連する遺構は確認ができません。今回の発掘調査では4つの調査区を設定して、総面積約150平方メートルの範囲で実施しました。
検出遺構
調査で確認できた遺構は、江戸時代を中心とするもので、柱穴、土坑、井戸、溝がみられます。井戸は径3メートルの円形プランで、大量の石を投入し埋めていることが分かりました。
遺物の出土状況
遺物は上記の遺構を中心に陶磁器が出土しています。そのほか、二枚貝などの貝類が出土しており食べた物を捨てたと考えられます。
調査のまとめ
今回の発掘調査では、城郭(一ツ松城跡)に関わる遺構は確認できませんでしたが、江戸時代後期と推定される遺構・遺物が多く確認されました。江戸時代の生活の様子を検討する上で重要な資料を得ることができました。
調査地(中央)から市街地をのぞむ
土坑検出状況
遺構検出状況
井戸の半裁状況