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中世大友府内町跡第163次発掘調査速報

印刷用ページを表示する掲載日:2024年4月17日更新

中世大友府内町跡第163次発掘調査速報

事業名

大分森林管理署新営工事に係る埋蔵文化財発掘調査

所在地

大分県大分市長浜町3丁目

調査期間

令和5年11月13日から令和6年1月24日

調査概要

調査場所は、中世大友府内町跡における今在家町の裏手と推定されている場所です。調査は、庁舎が建設される範囲のうち、305.5平方メートルを対象に実施しました。基本層序は(1)表土(地表下0-0.05m)、(2)攪乱(同0.05-0.4m)、(3)黒褐色土(同0.4-0.6m)、(4)黒褐色土(同0.6-0.8m)、(5)暗褐色土(同0.8-1.0m)、(6)褐色土(同1.0-1,2m)、(7)褐色土(同1,2-1,6m)、(8)灰色砂(1,6m-)です。(3)-(5)は遺物包含層で、(6)から下位は自然堆積土でした。

遺構・遺物

調査では、大型の土坑が複数切り合うかたちで確認されました。土坑の多くは調査区の中央~西側に位置し、その埋土中には人頭大~拳大の自然石とともに16世紀を中心とした土師器や中国産陶磁器、備前焼、動物骨などが含まれていました。これらは廃棄土坑と考えられ、今在家町に暮らした人々によって形成された可能性があります。一方、調査区の東側では、多くの小穴を確認することができたものの、軸が通るように並ぶものや、等間隔に並ぶものは確認できませんでした。

調査のまとめ

調査区は、町屋に住む人々が生活で不要になったものを捨てる空間として利用されており、町屋の居住域の裏手であった可能性が高いと考えられます。
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調査区全景