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下郡遺跡群(第151次調査)発掘調査速報

印刷用ページを表示する掲載日:2023年2月10日更新

下郡遺跡群(第151次調査)発掘調査速報

事業名

都市計画道路庄の原佐野線街路改良事業に係る埋蔵文化財発掘調査

所在地

大分市下郡南

調査期間

令和4年5月30日~令和4年12月26日

調査概要

下郡遺跡群は大分川東岸の自然堤防上、宗麟大橋を抜けたJR豊肥線の沿線に位置する遺跡です。これまでの調査により、弥生時代から近世にいたる広大な集落地であったことが確認されています。今年度は4つの調査区を設定し、約1,500平方メートルにわたって埋蔵文化財調査を実施しました。

検出遺構

調査で確認できた遺構は大きく以下の3つの時期に分けられます。
1 中世(13~14世紀頃):土坑、柱穴、溝
2 近世(16~18世紀頃):土坑、柱穴、溝、井戸跡、墓
3 近代(19~20世紀頃):柱穴、溝、井戸跡
建物跡は明確に確認できなかったものの、井戸等生活に係わる遺構を見つけることができました。

遺物の出土状況

遺物は上記遺構を中心に、弥生土器や石器、土師器、須恵器、鉄製品、青磁、白磁、備前焼等が出土しています。また、ウマもしくはウシ等の草食動物と思われる頭蓋骨も見つかっており、動物と人びとの関係を考える助けになるものと期待できます。

調査のまとめ

今回の発掘調査によって、従来から確認されてきたように、集落地としての下郡遺跡群の性格を裏付けるような成果が確認できました。非常に幅広い時期にわたって遺構や遺物が確認できたことにより、人びとがこの土地を継続的に利用し、生業を営んできたことがうかがえます。大分川沿岸では多くの集落遺跡が見つかっていますが、どの遺跡も大分川からの恩恵を得ながら、何世代にもわたり生活してきたのでしょう。今後も下郡遺跡群の調査を継続し、地域の歴史を明らかにしていきたいと思います。
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調査地(右下)から大分川を望む
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中世の溝の検出状況
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近世の井戸の検出状況
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草食動物の頭蓋骨
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弥生土器
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調査風景(遺構を掘り下げる様子)