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牛神城跡発掘調査速報

印刷用ページを表示する掲載日:2021年4月14日更新

牛神城跡発掘調査速報

事業名

都市計画道路外馬場錆矢堂線街路改良事業に係る埋蔵文化財発掘調査

所在地

中津市大字牛神

調査期間

令和2年11月18日~令和3年2月2日

調査概要

牛神城跡は、中津平野北部に沖積地に立地します。中津市の中心市街地に近く、周辺地域では、中世に牛神城(石神城)と呼ばれる城があったという伝承があります。都市計画道路外馬場錆矢堂線の道路幅拡張工事に先立ち、約1,000平方メートルを対象に本調査を実施しました。

検出遺構

発掘調査では、井戸(板材、瓦、曲物を枠として利用したものが数点)・溝・水路・柵列など、14~19世紀頃の村落と関連する遺構を確認できました。

遺物の出土状況

遺物は上記の遺構を中心に、14世紀~15世紀頃の瓦器椀、土師器、磁器、土錘や、18世紀~19世紀頃の陶磁器等が出土しています。さらに、木製の下駄、お椀・皿・柱や漆椀、真鍮製の煙管など、一般的に残りにくい遺物が良好な状態で出土しました。

調査のまとめ

発掘調査では、当初想定していた中世の城跡と直接結びつくようなものは見つかりませんでしたが、現在の牛神地区における古い段階の集落跡を発見することができました。牛神の集落は、沖代条里の北限にあたり、その条里を踏襲した中世の開発によって、形成されたと考えられます。また、14~15世紀頃まで遡る木製品と漆椀は、大分県内では例が少なく、貴重な成果です。牛神の集落が中世から現代に至るまで、連綿と生活が営まれていたことをうかがい知ることができ、現在の町並みが形成される過程を復元する、重要な手がかりとなります。
空撮(東向き)
牛神城跡空中写真(東向き)
1区空撮
牛神城跡区域1の空中写真
1区 中世の井戸(木枠)
中世の井戸(木枠)
1区 中世の下駄
中世の下駄