臼杵城下町跡第3次発掘調査速報
印刷用ページを表示する掲載日:2018年5月24日更新
事業名
都市計画道路祇園洲柳原線改良工事に伴う埋蔵文化財発掘調査
所在地
臼杵市大字臼杵
調査期間
平成30年4月16日~平成30年5月8日
調査概要
臼杵城下町跡第3次調査は、第1次・第2次調査と同様に臼杵城の城下町を構成する武家屋敷群を対象として行われました。調査区の中ほどに水道管が埋設されているため区域を二分し、区域1・2の調査面積は約266平方メートルと狭い範囲でしたが、土坑や柱穴などが残っていました。しかし、当時の建物の礎石や施設の構造を直接示す遺構はみられず、近現代の大規模な造成や建物建設によって近世の遺構の多くは失われたようです。
検出遺構
遺構は土坑約20基、柱穴十数基などでした。土坑には焼土や炭を多量に含むものがあり火事の始末をした土坑と思われます。また、近現代の廃棄土坑(ゴミ穴)も多数確認されました。
遺物の出土状況
出土遺物は近世の土器や陶磁器類を中心にコンテナ7箱分が出土しました。区域2の土抗S‐1からは完形の丸瓦2点や、土抗S‐2から出土した17世紀初め頃の唐津焼は注目されます。
調査のまとめ
今回の調査では、武家屋敷の構造や配置などの解明に繋がる遺構は確認されませんでした。しかし、近世初頭の遺構や遺物の存在は江戸時代における臼杵城下町の解明に役立てるものと考えられます。