令和5年度大分県立高等学校・中学校第三者評価の結果を掲載しました
1.令和5年度大分県立高等学校・中学校第三者評価結果総括
第三者評価委員会 委員長
大分大学 名誉教授 山崎 清男
大分県では、平成23年度から県立の高等学校に第三者評価を導入し、実効性の高い学校改善を進め、県全体の教育力の向上を図ってまいりました。
第三者評価とは、学校評価の一環として、学校とその設置者が実施者となり、学校運営に関する外部の専門家を中心とした評価者により、教育活動その他の学校運営の状況について、専門的視点から評価を行い、学校の活性化を図り、魅力あるそして地域に信頼される学校づくりを支援するものです。
大分県で導入された第三者評価では、評価委員が年度内に2回の学校訪問を実施します。1回目の訪問で、学校の課題を学校と評価委員とで共有し、改善点について助言します。2回目の訪問では、課題解決の進捗状況を評価するとともに、評価委員が学校改善に向けた支援を行っています。
それぞれの学校が抱える課題に対して、学校・評価委員・県教育委員会の三者が一体となって取り組んでいくシステムとなっております。評価対象校では、課題を分析し、解決の道筋を立てて、1年間というスパンで改善を図っていくといった、まさにPDCAサイクルを学校が体験し、身に付けていくシステムとなっています。
評価結果の公表については、各学校のすばらしい取組を広く情報発信し、地域に愛される学校づくりを推進することが目的であります。
この第三者評価の実施によって、大分県のすべての高等学校・中学校が、学校改善に意欲的に取り組むことで、保護者をはじめとする地域の皆さまの一層の信頼と支援が得られることを期待しています。
2.大分県立高等学校・中学校第三者評価委員会委員
(名簿中、委員については五十音順)令和6年3月28日現在
委員長 山崎 清男 大分大学 名誉教授
委員 相本 健二 大分県中部振興局 地域創生部 部長
委員 浅野 良一 兵庫教育大学 大学院 学校教育研究科 特任教授
委員 足立 高浩 東鉄工業株式会社 代表取締役
委員 伊藤 安浩 大分大学 教育学部 教授
委員 猪股 高士 株式会社大分銀行 人財開発部 部長
委員 大下 晴美 大分大学 医学部 准教授
委員 大島 崇 大分大学 大学院 教育学研究科 准教授
委員 上寺 康司 福岡工業大学 教養力育成センター 教授
委員 川嵜 道広 大分大学 教育学部 特任教授
委員 菊池 正典 キクチ種苗株式会社 代表取締役
委員 佐藤 敬子 別府大学 客員教授
委員 佐脇 武志 立命館アジア太平洋大学 教育開発学修支援センター 教授
委員 三宮徹一郎 有限会社日東機械工業 代表取締役
委員 鈴木 聡美 大分県北部振興局 地域創生部 部長
委員 鈴木 博祐 大分瓦斯株式会社 常務取締役
委員 住岡 敏弘 大分大学 教育学部 教授
委員 高見 大介 日本文理大学 工学部建築学科 助教、同人間力育成センター長
委員 露口 健司 愛媛大学 大学院 教育学研究科 教授
委員 鳥越 徹 鳥越法律事務所 弁護士
委員 枝木 東海 株式会社デンケン 人事部 部長
委員 橋本 仁 大分日産自動車株式会社 代表取締役社長
委員 長谷川考志 大分大学 名誉教授
委員 福本 昌之 広島市立大学 国際学部国際学研究科 教授
委員 藤田 勝久 大分県豊肥振興局 地域創生部 部長
委員 ベルガー 舞子 立命館アジア太平洋大学 言語教育センター 准教授
委員 三浦 昌生 芝浦工業大学 名誉教授、城東工機株式会社 代表取締役社長
委員 宮本 賢一 大分県東部振興局 地域創生部 部長
委員 山本 遼 大分大学 大学院 教育学研究科 専任講師
委員 吉村 充功 日本文理大学 工学部建築学科 教授、同学長室長
委員 鷲司 匡亮 株式会社ホンダカーズ大分中央 執行役員専務
3.学校評価について
学校の裁量が拡大し、自主性・自律性が高まる中で、生徒がより良い教育活動を享受できるよう教育水準の向上と保証を図るためには、学校の教育活動の成果を検証し、必要な改善を行うことが重要です。また、よりよい学校づくりを行うためには、教育活動その他の学校運営の状況について、保護者等の方々に適切に説明責任を果たし、共通理解を進め、お互いの連携協力を促進することが重要です。
このため、県内のすべての県立高校・中学校では、各学校の教職員が行う「自己評価」と「学校関係者評価」を実施し、学校運営の改善に努めてきました。
「自己評価」は、学校評価の最も基本となるものであり、各学校が自らの教育活動その他の学校運営について設定した目標や具体的計画等に照らして、その達成状況や達成に向けた取組の適切さ等について当該学校の教職員が行う評価です。
「学校関係者評価」は、保護者、学校評議員等の学校関係者などにより構成された評価委員会が、当該学校の観察や意見交換を通じて、自己評価結果について評価することを基本として行う評価です。
これらの評価に加え、県教育委員会では、学校改革を推進し、教育水準のさらなる向上を図るため、有識者による公正中立な第三者の立場での専門的かつ客観的な評価と指導助言を行う「第三者評価」を実施しています。
第三者評価の取組を通じて、学校が自らの状況を客観的に見ることができるようになるとともに、専門的な分析や助言によって学校の課題とこれに対する改善方策が明確となります。また、学校の優れた取組が明らかになり、学校運営が適切になされているか確認をすることができます。
これらの結果、地域に信頼される特色・魅力・活力ある学校づくりが推進されることが期待できます。
4.令和5年度第三者評価実施結果
(1)評価対象校
次の13校です。平成23年度から開始したこの取組は、1巡目(平成23年度から平成25年度)、2巡目(平成26年度から平成28年度)、3巡目(平成29年度から令和元年度)、4巡目(令和2年度から令和4年度)が実施され、現在、5巡目(令和5年度から令和7年度)を迎えています。
令和5年度評価対象校
- 高田高校
- 国東高校
- 日出総合高校
- 大分舞鶴高校
- 大分工業高校
- 爽風館高校
- 情報科学高校
- 佐伯鶴城高校
- 佐伯豊南高校
- 三重総合高校
- 竹田高校
- 中津北高校
- 宇佐高校
(2)評価の実施体制と評価方法
有識者(学識経験者、企業関係者、行政関係者等)による31人の評価委員で評価委員会を組織しました。第三者評価委員会を実施し、各学校の状況把握、学校訪問結果の総括、年間評価の総括等を行いました。
また、学校毎に、2~3人の委員による評価チームを編成し、2回の学校訪問を実施しました。学校訪問では、授業等生徒の活動状況の観察、保健室や進路指導室等の校内観察、管理職・分掌主任等からのヒアリング、生徒へのインタビュー等を実施しました。
(3)評価の内容
5巡目となる令和5年度の第三者評価においては、4つの重点事項と8つの評価項目を設定し、それぞれの評価の観点に則して、学校訪問や各学校から提出された資料をもとに評価を行いました。「信頼される学校づくり」については、点数化は行わず、文章記述による評価とし、改善が求められる点等について記載しました。評価で明らかになった課題に対し、どのように改善を図っていけばよいか、評価委員が指導助言を行いました。
重点事項と評価項目
重点事項 | 評価項目 |
---|---|
カリキュラム・マネジメントの確立 |
|
主体的・対話的で深い学びの実現 |
|
安全・安心な教育環境 |
|
信頼される学校づくり |
|
(4)評価結果について
各学校とも第1回目訪問時の指摘事項に対し、迅速に対応した結果、第2回訪問ではすべての項目で改善が見られました。なお、第1回訪問時の評価から上昇した項目の数が5つの学校が1校、4つの学校が3校、3つの学校が3校ありました。また、13校×6項目=78項目中、第1回訪問時の評価で「改善が必要」と評価された項目は8でしたが、第2回訪問では0となりました。授業の活性化については、さらに改善が進みつつあり、引き続き今後の取組に注目したいと思います。各学校においては、項目ごとの具体的な改善策が講じられております。第三者評価は3年に一度の実施ですが、評価実施年度内におけるPDCAのみならず、年度を跨いだ改革の推進、課題の克服に向けた組織的で継続的な取組を期待したいと思います。
5.令和5年度第三者評価実施校の評価書
- 高田高等学校 [PDFファイル/163KB]
- 国東高等学校 [PDFファイル/171KB]
- 日出総合高等学校 [PDFファイル/175KB]
- 大分舞鶴高等学校 [PDFファイル/174KB]
- 大分工業高等学校 [PDFファイル/170KB]
- 爽風館高等学校 [PDFファイル/180KB]
- 情報科学高等学校 [PDFファイル/186KB]
- 佐伯鶴城高等学校 [PDFファイル/153KB]
- 佐伯豊南高等学校 [PDFファイル/158KB]
- 三重総合高等学校 [PDFファイル/154KB]
- 竹田高等学校 [PDFファイル/162KB]
- 中津北高等学校 [PDFファイル/176KB]
- 宇佐高等学校 [PDFファイル/175KB]
※学校名をクリックすると評価書が表示されます。
留意事項
- 評価書の「評価」及び「総合評価」は,第三者評価委員会で審議したものを記載しています。
- 評価書の「今後の改善方法(学校作成)」及び「校長コメント(次年度の改善策)」は,各評価校が作成したものを記載しています。
6.評価書の語句について
評価書中の語句の解説です。
・スクール・ミッション …… 各学校の存在意義、期待される社会的役割、目指すべき学校像等を示した
もの
・スクール・ポリシー …… 中学生や保護者、地域に対し示す、学校の三つの方針(グラデュエーショ
ン・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシー)
・グラデュエーション・ポリシー …… 卒業後の姿を見据え、育成を目指す資質・能力に関する方針
・カリキュラム・ポリシー …… 教育課程の編成及び実施に関する方針
・アドミッション・ポリシー …… 期待される生徒像など入学者の受入れに関する方針
・SC …… スクールカウンセラー
・SSW …… スクールソーシャルワーカー
・ファシリテーター …… プロジェクトや会議等の話し合いにおいて、参加者の想いや考えを引き出した
り、繋げたりと、中立的な立場で取り仕切る指揮者のような役割
・STEAM教育 …… Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学・ものづくり)、Arts(芸
術・リベラルアーツ)、Mathematics(数学)等の各教科での学習を実社会での問題
発見や解決に生かすための教科等横断的な教育