令和4年度高校生防災リーダー被災地視察研修を実施しました
高校生防災リーダーとは
文部科学省から委託を受け実施している「防災教育モデル実践事業」の一環として令和2年度から「大分県高校生防災リーダー養成事業」を行っています。
今年度は、高田高校、大分商業高校、三重総合高校(新規3校)、津久見高校、別府翔青高校、日田林工高校(継続3校)の計6校で実施しています。
学校ごとに委員会活動や部活動などで災害についての学習や実践などを行っています。
被災地視察研修(宮城県、岩手県)
令和4年8月8日~10日の二泊三日、東北地方(宮城県、岩手県)にて被災地視察研修を行いました。
高田高校、大分商業高校、三重総合高校の3校から6名(各校2名)の高校生防災リーダーが参加しました。
【1日目】震災遺構 石巻市立大川小学校
大川小学校のある釜谷地区は、石巻市の北端で東北最大の河川である北上川河口から約4キロ上流に位置し、震災当時は108人の児童が通学していました。
見学時には、語り部の只野さんから説明をしていただき、当時の様子や被災状況などを具体的に知ることができました。
校舎の被害状況や周辺の市街地の様子などからも、大川小学校を襲った津波の威力や恐ろしさを知ることができました。
【2日目】震災遺構 気仙沼市気仙沼向洋高校旧校舎
気仙沼向陽高校出身の語り部の熊谷さんから、被災状況の説明をしていただきました。津波により建物に突っ込んできた車が3階教室に当時のまま残されていました。この時、校舎の4階まで浸水しましたが、当時校内にいた生徒は高台にある階上中学校まですぐに避難したため、全員無事でした。
地形を用いた学習(学校周辺の地形や標高の違い等)や実践的な避難訓練の重要性を改めて実感しました。
【2日目】釜石市旧釜石東中学校・旧鵜住居小学校周辺フィールドワーク
震災時に釜石東中学校の生徒や鵜住居小学校の児童たちが避難したルートや避難した場所をフィールドワークしました。
同行していただいた板井幸則先生(大分大学減災・復興デザイン教育研究センター防災コーディネーター)から当時の被害状況等について説明を受けました。実際に坂道を歩くことで、机上の学習では分からない避難場所までの長い道のりや高校生でもきつい坂など、発災時に小中学生がどれだけ必死に避難したかを身をもって体験することができました。
【2日目】リーダー交流・学習会
ホテルにて、リーダー学習会を行いました。
この被災地視察研修に同行いただいた大分大学の板井幸則先生と当時釜石東中学校3年生だった菊池のどかさんから講話をしていただきました。板井先生からは、東日本大震災における大分県緊急消防援助隊による釜石市での救援活動について、菊池さんからは、震災前の学校での防災教育や避難時の様子、避難所での状況等の講義を受けました。
その後、参加校ごとに「実効性のある避難にするため、私たちには何が必要か。」について、現在の自分の取り組みや課題について話し合い、発表しました。
【3日目】宮城県仙台市若林区(仙台平野)
仙台市立旧荒浜小学校は、荒浜地区の避難所となった場所です。
校舎内部の様子や震災当時の写真や証言等から、荒浜地区を襲った津波の脅威を実感することができました。
まとめ
今回の東北地方への被災地視察研修では、震災から11年たった今、整備された道路ときれいな街並みにより、震災当時の面影がなくなってきていました。しかし、震災遺構の見学や語り部の方のお話を聞くことにより、当時の津波による脅威だけでなく、何を学び、何を伝えていくべきかを学ぶことができました。
今回の研修で学んだことを文化祭等で発表するなど、今後の防災教育に活かしていく予定です。
(途中で立ち寄った陸前高田市にある「奇跡の一本松」の前で集合写真)
※写真撮影時のみマスクをはずしています