2.本県の現状と課題(教育DX推進プラン2025 第1章 学校教育の情報化の現状と課題)
基本方針1 子どもたちの情報活用能力の向上
子どもたちの学習の基盤となる情報活用能力の向上を目指し、児童生徒の学習活動でICTを効果的に活用する授業等を実践してきました。
小学校・中学校での取組
GIGAスクール構想の実現に向け、フロンティア校(玖珠町立塚脇小学校・くす星翔中学校)を中心に、1人1台端末やデジタル教材等を効果的に活用した授業の実証研究に取組みました。また免許外教科担任のいる市町村の小規模校(6市町村6校)において、専門家が遠隔システムによる授業(中学校技術・家庭科[技術分野]のプログラミングや3Dプリンタを活用したものづくり)を行い、その内容をHPに公開しました。さらに、地理的要因にとらわれず多様な教育を実現するため、アバターを活用した社会見学を実施するなど、ICTの効果的な活用を推進しました。
高等学校での取組
ICT機器を活用した「個別最適な学び」と「協働的な学び」を充実させるため、EdTech教材(AIドリルや授業支援アプリケーション等)を延べ103校で活用しました。また、大学や企業等の専門家との連携によってIoTやデータ利活用、AI等の先端技術を活用した課題解決型学習を充実させ、地域産業が求めるICT人材を育成する学校づくりを進め、さらに、世界的な先端科学技術専門家によるオンライン講演会や、大学や企業の専門家の支援によるSTEAM課題研究特別講座を実施しました。その他、地理的要因等にとらわれず、多様な教育を可能とする遠隔教育を推進しました。
特別支援学校での取組
障がいのある子ども一人一人の特性に応じた、ICT機器の効果的な活用を推進するため、活用事例のデータベース化、幼児児童生徒・教員がインターネットを活用するためにモバイルWi-Fiルーターの環境整備、入院している児童生徒や訪問教育における遠隔授業の実施等に取組みました。また年間指導計画にICT活用題材の体系を組み込み、児童生徒による「タブレット型端末活用コンテスト」を毎年開催し、外部講師による研修会を全特別支援学校で実施し、推進活動を行いました。さらに、ICT活用推進教員等研究協議会を年4回開催し、年2回の実践報告書を他の教員に共有し、組織としての推進に力を入れました。
プレゼンテーションコンテストの取組
発達段階に応じた情報活用能力を身に付けさせるため、「1人1台端末を活用した小・中学生プレゼンテーションコンテスト」を実施しました。この3年間で、41学校443チームのエントリーがありました。プレゼンを単元計画の中に取り入れて、学年や学級単位で大会にエントリーする学校が増え、学校独自で校内選考のプレゼンテーションコンテストを開催し、本コンテストと関連付ける中学校もみられています。
情報モラル教育に関する取組
専門的な知識を持った講師による「情報モラル出前授業」を実施してきました。子どもや教員の他、保護者も参加でき、インターネットの正しい活用やネットトラブルの対処方法などを身につけることができています。また情報モラルの授業で使える教材や動画を作成し、学校で利用できるよう共有しています。さらに「子どものためのネットあんしんセンター(相談窓口)」を設け、トラブル相談の対応をしてきました。
体育の授業や部活動に関する取組
年3回の連絡協議会にて、ICT活用の好事例を共有し、体育専科教員、体育担任制専科教員、体育推進教員を中心に県内への拡充を図りました。また校種別の研修会、各地域及び学校における授業研究会等において、ICTの効果的な活用に関する内容を取り上げることにより、体育・保健体育の授業におけるICT機器の積極的かつ効果的な活用に繋がっています。
不登校傾向の児童生徒に対する取組
不登校児童生徒の学力保障や進路実現に向けた取組として、学習アプリのIDを配布しました。また、教育支援ルーム設置校、県教育センター、市町村教育支援センター、フリースクールでも活用できるようにIDを配布しました。
指標名 | 基準値 R2 |
実績値 R4 |
実績値 R5 |
目標値 R6 |
達成見込 R6 |
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学校でICT機器を活用し、他の友達と意見交換したり調べたりする頻度(%)(小・中学校) | 34.2 | 92.3 | 89.7 | 80.0 | 達成 |
1人1台端末の平時の持ち帰りを実施する市町村数(小・中学校) | - | 18 | 18 | 18 | 達成 |
1人1台端末を家庭学習に利用している割合(%)(高等学校) | 56.2 | 66.0 | 72.1 | 80.0 | 概ね達成 |
タブレット型端末を生活(授業以外)で活用する幼児児童生徒の割合(%) (特別支援学校) | 20.9 | 37.5 | 32.5 | 40.0 | 達成 |
※達成見込(目標値に対する実績値の割合)
100%以上=達成 90%以上=概ね達成 80%以上=不十分 80%未満=著しく不十分
課題
1人1台端末の活用を推進していく過程では、ICTの活用が目的化している場面も見られ、授業の本質である「資質・能力の育成」に課題が残っています。
さらに、急速に進む情報技術の発展に伴い、未来社会に対応できるよう、児童生徒の情報活用能力の向上を目指した取組が急務です。特に、データの利活用や生成AI等の効果的な活用といった、先端技術を活用した新たな教育の推進について具体的な方策が求められています。また、情報発信による他者への影響、肖像権や著作権など自他の権利に関する理解を深め、適切な情報の取り扱いについての情報モラルやデジタル・シティズンシップに関する教育が今後さらに必要です。