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義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する基本指針の策定

印刷用ページを表示する掲載日:2017年4月7日更新

義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する基本指針の策定について(平成29年3月31日文部科学省通知)

文部科学省通知文より

平成28年12月22日付け28文科初第1271号で通知したとおり、「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」(以下「法」という。)が平成28年法立第105号として平成28年12月14日に交付され、平成29年2月14日に施行されました(ただし、法第4章は公布の日から施行。)。

法第7条において、文部科学大臣は、教育機会の確保等に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針(以下「基本指針」という。)を定めることと規定されていることに基づき、このたび別添のとおり、基本指針を策定しました。

文部科学省においては、今後、基本指針に基づき、教育機会の確保等に関する施策を一層推進してまいります。各地方公共団体におかれては、法第5条に基づき、当該地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有することから、基本指針を参酌いただき、必要な措置を講じていただくようお願いします。

なお、基本指針では、不登校は、取り巻く環境によっては、どの児童生徒にも起こり得るものとして捉え、不登校というだけで問題行動であると受け取られないよう配慮すること、不登校児童生徒への支援は、当該児童生徒の意思を十分に尊重しつつ行うこととし、当該児童生徒や保護者を追い詰めることのないよう配慮することなどを基本的な考え方としております。こうした考え方を踏まえ、不登校児童生徒に対する支援が一層適切に行われるようお願いいたします。

基本指針の主な項目

  1. 教育機会の確保等に関する基本的事項
    (1)義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等の意義・現状
    (2)基本指針の位置付け
    (3)基本的な考え方
  2. 不登校児童生徒等に対する教育機会の確保等に関する事項
    (1)児童生徒が安心して教育を受けられる魅力ある学校づくり
    1. 魅力あるより良い学校づくり
    2. いじめ、暴力行為、体罰等を許さない学校づくり
    3. 児童生徒の学習状況等に応じた指導・配慮の実施
    (2)不登校児童生徒に対する効果的な支援の推進
    1. 個々の不登校児童生徒の状況に応じた支援の推進
    (ア)状況の把握
    (イ)組織的・計画的な支援
    (ウ)登校時における支援
    1. 不登校児童生徒に対する多様で適切な教育機会の確保
    (ア)特例校や教育支援センターの設置促進等
    (イ)教育委員会・学校と民間の団体の連携等による支援
    (ウ)家庭にいる不登校児童生徒に対する支援
    (エ)多様で適切な学習活動の重要性及び休養の必要性を踏まえた支援
    (オ)経済的支援
    (カ)情報提供
    1. 不登校等に関する教育相談体制の充実
  3. 夜間その他特別な時間において授業を行う学校における就学の機会の提供等に関する事項
    (1)夜間中学等の設置の促進等
    1. 設置の促進
    2. 既設の夜間中学等における教育活動の充実
    3. 自主夜間中学に係る取組
    (2)夜間中学等における多様な生徒の受け入れ
  4. その他教育機会の確保等に関する施策を総合的に推進するために必要な事項
    (1)調査研究等
    (2)国民の理解の増進
    (3)人材の確保等
    (4)教材の提供その他の学習支援
    (5)相談体制等の整備

義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律の公布について

文部科学省通知文より

このたび「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」(以下「法」という。)が、平成28年12月14日法律第105号として公布されました。

この法律は、教育機会の確保等に関する施策に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、基本方針の策定その他の必要な事項を定めることにより、教育機会の確保等に関する施策を総合的に推進することを目的としています。

法においては、教育機会の確保等に関する施策を総合的に推進するための基本指針を文部科学大臣が定めることとしています。また、国及び地方公共団体が講じ、または講ずるよう努めるべき不登校児童生徒等に対する教育機会の確保等に関する施策、夜間その他特別な時間において授業を行う学校における就学の機会等の提供等に関する施策及び教育機会の確保等に関するその他の施策等について規定しています。

文部科学省においては、今後、法に基づき、基本指針の策定をはじめとして、教育機会の確保等に関する施策の推進が図られるということですので、大分県教育委員会としても、各県立学校や各市町村教育委員会に対しまして、法の意義を周知するとともに、教育機会の確保等に関する各種の施策の推進を図ってまいります。

義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律概要

I 総則(第1条~第6条)

目的

教育基本法及び児童の権利に関する条約等の趣旨にのっとり、不登校児童生徒に対する教育機会の確保、夜間等において授業を行う学校における就学機会の提供その他の義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等を総合的に推進

基本理念

  1. 全児童生徒が豊かな学校生活を送り、安心して教育を受けられるよう、学校における環境の確保
  2. 不登校児童生徒が行う多様な学習活動の実情を踏まえ、個々の状況に応じた必要な支援
  3. 不登校児童生徒が安心して教育を受けられるよう、学校における環境の整備
  4. 義務教育の段階の普通教育に相当する教育を十分に受けていない者の意思を尊重しつつ、年齢または国籍等にかかわりなく、能力に応じた教育機会を確保するとともに、自立的に生きる基礎を培い、豊かな人生を送ることができるよう、教育水準を維持向上
  5. 国、地方公共団体、民間団体等の密接な連携

II 基本指針(第6条)

  1. 文部科学大臣は、基本指針を定め、公表する
  2. 作成または変更するときは、地方公共団体及び民間団体等の意見を反映させるための措置を講ずる

III 不登校児童生徒等に対する教育機会の確保等(第8条~第13条)

国及び地方公共団体は、以下の措置を講じ、または講ずるよう努める

  1. 全児童生徒に対する学校における取組への支援に必要な措置
  2. 教職員、心理・福祉等の専門家等の関係者間での情報の共有の促進等に必要な措置
  3. 不登校特例校及び教育支援センターの整備並びにそれらにおける教育の充実等に必要な措置
  4. 学校以外の場における不登校児童生徒の学習活動、その心身の状況等の継続的な措置に必要な措置
  5. 学校以外の場での多様で適切な学習活動の重要性に鑑み、個々の休養の必要性を踏まえ、不登校児童生徒等に対する情報の提供等の支援に必要な措置

IV 夜間等において授業を行う学校における就学の機会の提供等(第14条・第15条)

  1. 地方公共団体は、夜間等において授業を行う学校における就学の機会の提供等を講ずる
  2. 都道府県及び区域内の市町村は、1の事務の役割分担等を協議する協議会を組織することができる
    構成員:a.都道府県の知事及び教育委員会、b.都道府県内の市町村長及び教育委員会、c.民間団体等

V 教育機会の確保等に関するその他の施策(第16条~第20条)

  1. 実態把握及び学習活動に対する支援の方法に関する調査研究等
  2. 国民の理解の増進
  3. 人材の確保等
  4. 教材の提供その他の学習の支援
  5. 学校生活上の困難を有する児童生徒等からの教育及び福祉をはじめとする各種相談に総合的に対応する体制の整備

VI その他

  1. 公布日から2月後に施行IVは公布日から施行)
  2. 政府は、速やかに、必要な経済的支援の在り方について検討し、必要な措置を講ずる
  3. 政府は、多様な学習活動の実情を踏まえ、施行後3年以内に検討を加え、教育機会の確保等の在り方の見直しを含め、必要な措置を講ずる

別添資料 

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