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DV(ドメスティック・バイオレンス)とは、配偶者やパートナーなど親密な関係にある、又はあった相手から
ふるわれる暴力のことです。男性から女性に対する暴力だけでなく、女性から男性への暴力も意味します
が、社会的、経済的、肉体的に弱い立場にある女性が被害者になることが多く、このような行為は重大な
人権侵害であり、男女平等の妨げとなっています。
DVの暴力は、相手を力で支配しようとする態度や行動のことをいいます。
殴る、蹴るなどの身体への暴力だけでなく、言葉や態度で精神的に追い詰めたりすることも暴力になります。
すべての加害者に当てはまるわけではありませんが、DVは一定のサイクルを繰り返しながら、徐々に
エスカレートしていくと言われています。
加害者の中には、暴力を振るった後に一転して謝罪し、優しくなったりします。そのため、被害者は「今度
こそ暴力がなくなるかも」と期待を抱き、加害者のもとから逃げられない原因の一つとなります。
暴力の結果、被害者はあざ、打ち身、切り傷、骨折、やけどなどの外傷を負ったり、これらのケガが原因で
その後何年も身体の不調を患うこともあります。
また、被害者は恐怖や無力感により、精神的にも重度の不安、うつ症状、絶望感等の深刻な影響をもた
らし、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症することもあります。
「児童虐待の防止等に関する法律」では、子どもの前でDVが行われることは児童虐待にあたるとされて
います。
DVの環境にいる子どもは、日常的に緊張状態にあり、情緒不安定、無感情、うつ、不登校などの症状が
あったり、攻撃的な態度をとったりします。あるいは、感情表現や問題解決の手段として暴力を用いること
を学習することもあります。
家庭内の暴力を他人に相談することはとても勇気のいることです。しかし、暴力を受け続けることにより、
自分自身や子どもに取り返しのつかない傷を負わせることになるかもしれません。
家庭は家族にとって安息の場であるはずです。もしあなたにとって、家庭が緊張と恐怖の場であるなら、
ひとりで悩まないで相談してください。
また、DV被害者に気づいたり、相談されたりした場合は、相談窓口を教え、早く相談することをすすめて
ください。