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日本の中小企業の数は、約420万社。数字だけではピンとこないかもしれませんが、なんと日本の全企業数の99.7%を占めています。また、その約420万社には約2,800万人が働いており、全従業員数の約66%も占めています。
このように、中小企業は経済の活性化や雇用の場として大きな役割を果たしています。これからの日本が元気になるか否かは、日本経済を根底から支えている中小企業の活躍にかかっているといえるでしょう。
大企業では社員一人ひとりの役割が比較的細分化されていますが、中小企業では一人で果たすべき役割が多いため、本人のやる気次第で可能性を大きく広げることができます。また、役割が多い分、さまざまな外部の刺激にふれることができ、自身の成長の手助けとなります。役割が多いということは、責任ある仕事を任される機会も多いということ。自分の力を大いに発揮できることで、やり甲斐を感じることもできます。
小さな組織で運営されている中小企業では、社長をはじめ、上司との距離が近いのが特徴。自分の考えや希望を直接会社に反映できる機会もたくさんあります。また、社長から仕事に対する考え方や会社の方針などを直接聞ける機会も多いため、新しい視点や物の考え方などを学ぶことができ、一社会人として大きく成長することができます。
社長・上司のみならず、社員同士の距離も近く、風通しもよいため、仕事上のコミュニケーションがとりやすく、チームワークを構築しやすいのが魅力。一人では為し得ないことを実現可能にしてくれる力となります。また、様々な経験を持つ先輩の経験談を聞ける機会も多く、仕事のみならず、プライベートな生活においてもプラスになることもあります。
組織が小さい分、企業間の横のつながりが多い中小企業では、即戦力となる多彩な人脈を築く環境が身近に用意されます。スペシャリストが集まった時に生まれるパワーは、大企業という一組織では計り知れないバイタリティに満ちあふれています。
大分県には、仕事と子育て両立支援、男女共同参画に力を入れている中小企業や、地域の伝統行事に協力する中小企業も多く、ライフ・ワーク・バランスのとれた生活を送ることができるでしょう。
中小企業のものづくりの基盤技術は、これまで日本経済を牽引してきた自動車や半導体産業だけでなく、太陽電池やリチウム電池、ロボット、バイオ技術などといった新たな成長産業をも支えています。これから、日本経済が一層発展していくためには、こうした中小企業がより高度な技術開発にチャレンジしていくことが必要といわれています。
このような考えから平成18年4月19日に制定された、
「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律(中小ものづくり高度化法)」により、ものづくりの技術に関する研究開発や人材育成などを行う中小企業に対して様々な支援が行われています。
国による中小企業への支援は、「中小ものづくり高度化法」だけではありません。他にも、技術開発・研究開発・新商品開発などの支援、ITを活用した企業経営の支援、知的財産権の活用の支援など多岐にわたります。
また、経済の再生のために一人でも多くの起業家が立ち上がれるよう、優れた発想や技術力などを持つ人を後押しするための新創業融資制度や、再起業に挑む人に対する融資や保証制度の創設、中小企業者の再挑戦などへのアドバイスを行う相談窓口の設置など、さまざまな取り組みが行われています。
こうした様々な支援により、中小企業のチャレンジ・スピリットがバックアップされているのです。
平成25年3月卒業予定の大卒の求人倍率※の調査によると、従業員数1,000人以上の企業の求人倍率0.73倍に対し、従業員数300人未満の企業の求人倍率は、3.27倍となっています。
つまり、中小企業に視野を広げれば、就職難ではなくなるのです。
また、同調査によると、中小企業を志望する学生は増加傾向にあり、これからは中小企業への就職がトレンドになるかもしれませんね。