
令和4年10月4日知事定例会見
動画は「おんせん県おおいた!ちゃんねる」へ
日時:令和4年10月4日(火)13時30分~
場所:第一応接室
新型コロナウイルス感染症について
猛威をふるった第7波も8月下旬に減少に転じて以降、昨日が179名、今日が265名ということで順調に下がってきています。病床使用率も一時は50%を超えて60%に迫っていましたが、最近は17%台まで下がっており、これも著しく改善しています。ワクチンの接種率が上がってきたことや、気候が良くなってこまめな換気が行われるようになったということ、そして何より 県民お一人お一人が、マスク着用、手洗い、換気や、3密の回避など、基本的な感染対策にご協力くださったおかげだと思います。心から感謝申し上げます。
こうした中、9月26日から全数届出の見直しが行われました。まず65歳以上の方、あるいは65歳未満の方でも入院を要する方、基礎疾患があり投薬が必要な方や新たに酸素投与が必要な方、あるいは妊婦の方には病院から保健所へ発生届を出していただいています。届出の項目は随分簡素化されましたが、扱い方は従来と変わっていません。そして65歳未満の方で入院の必要がない方や、基礎疾患があっても投薬はしていない方等については、診断結果等連絡票をもらって、WEB上で必要事項を入力し健康フォローアップセンターに登録いただくことになっています。もう一つ、12歳から64歳までで重症化リスクのない方については、自分で検査をして、陽性の場合は自己検査陽性者登録センターに登録することも可能です。
結果、65歳未満の方で重症化リスクのない方については1週間で1,536人が健康フォローアップセンター登録の対象になっており、実際に登録を行った方が1,413人と、実に92%の方に登録していただいたということでした。まだ登録をしていない方はおそらく軽症で、登録しなくていいとご自分で判断されたのではないかなと思います。また、現に登録していない方が駆け込んできたような事例はなかったんじゃないかと思います。健康フォローアップセンターの開設によって、お医者さんや保健所はだいぶ楽になったようで、よかったかなと思っています。引き続き、届出の対象外と診断された方は、療養中の体調悪化に備えて、フォローアップセンターへの自主的な登録をお願いします。
そして、オミクロン株対応のワクチンの予約が、全ての市町村で始まっています。2回目接種を済まされた12歳以上の方全員が対象です。県営接種センターでも、オミクロン株対応ワクチンに切り換えて接種をしています。しかしながら、BA.5対応の2価ワクチン等、新しいワクチンが出てくる可能性があるとも言われています。今あるワクチンより効き目があるなら、そちらを待っておくという選択肢もありますが、感染リスクはいつ襲いかかってくるかわかりません。打てる時にある程度効き目のあるワクチンを打っておくことも、大事なことじゃないかと思っています。ワクチン接種の体制もできていますので、よく考えて選択していただければと思います。
令和4年度大分県農林水産祭について
大分県農林水産祭「おおいたみのりフェスタ」を10月22日(土)、23日(日)に、別府公園において、農林部門・水産部門合同で開催します。
毎年恒例の農林水産物の展示・販売に加えて、県産食材を使用したパン屋さんを集めた「パンカフェ」や、「木工教室」などを今年も設置します。ステージイベントでは、県内農業系高校生の「花いけパフォーマンス」や、県立別府鶴見丘高校吹奏楽部の演奏などを予定していますので、ぜひお楽しみいただければと思います。
新型コロナウイルスの感染対策も徹底して同時間帯の入場者数を1万5,000人に制限するほか、出展者にもレジ前の間仕切りの設置などの対策も講じてもらいます。
なお、今年は無料駐車場の場所が変わります。別府市の東荘園にある中部中学校をお借りして、そこからシャトルバスを運行します。昨年まで使っていた別府中央小学校には駐車ができませんし、シャトルバスもありませんのでご注意ください。
おおいたみのりフェスタ(チラシ) [PDFファイル/881KB]
令和4年度大分県農林水産祭の開催概要 [PDFファイル/11KB]
福岡・大分デスティネーションキャンペーンのキャッチコピーの決定について
再来年2024年春開催の福岡・大分デスティネーションキャンペーンのキャッチコピーの募集を行った結果、1,343件の応募がありました。ご応募いただいた皆さんに心からお礼を申し上げます。
福岡・大分デスティネーションキャンペーン実行委員会などによる選定を行い、最優秀賞は、福岡県にお住まいの天野栞奈(あまのかんな)さんの「至福の旅!大吉の旅!福岡・大分」に決定しました。初めての福岡県、大分県共同開催ですので、福岡の「福」と大分の「大」を使ったこのキャッチコピーは非常に良いんじゃないかと思っています。何となく旅のわくわく感が出てくるような感じがします。
キャッチコピーが決定しましたので、これからロゴマークの作成をします。ロゴマークは事業者等から企画提案をいただくように準備を進めていますが、キャッチコピーとロゴマークの組み合わせによって、全国の皆さんが福岡・大分デスティネーションキャンペーンに興味を持ち、両県に訪れたいと思っていただければありがたいです。
今後県内の観光素材のさらなる磨き上げを行って、来年5月10日に別府ビーコンプラザで開催する全国宣伝販売促進会議に向けて準備を進めていかなければと思っています。
福岡・大分デスティネーションキャンペーン キャッチコピーの決定について [PDFファイル/13KB]
令和4年度大分県総合防災訓練(実動)及び原子力防災訓練の実施について
秋は防災活動の時期でもあります。10月8日に、日田市、中津市、それから九重町、玖珠町を会場として、「令和4年度大分県総合防災訓練」を実施します。令和元年度に国東市を中心に実施して以来、3年ぶりの実施になります。先日の台風第14号のような激しい雨が降り続いている中で、南海トラフ地震が発生した、という複合災害を想定して、4市町をはじめ防災関係機関や団体、地域住民の皆さんにもご参加をいただくことになっています。
今年の訓練の主なポイントは3つあります。1つは、「実践的な訓練の実施」ということで、地域住民の皆さんにご参加いただき実動訓練を行います。2つは、「住民避難訓練の徹底と避難所運営」です。なかなか情報が届かず避難できなかったということがないように、避難訓練の徹底をしなければいけません。アプリや防災行政無線を活用した確実な情報伝達、災害時要支援者への支援、避難所の開設や運営などが円滑に行えるようしっかりやっていきたいと思います。3つは、「自治体と各防災関連機関との連携強化」です。
さらに、10月12日には、伊方原子力発電所における、万が一の事故に備えて、愛媛県と原子力防災訓練を共同実施します。具体的には、テレビ会議システムによる情報伝達訓練や、空間放射線量率のモニタリング訓練、2年ぶりとなる愛媛県から避難者の受入れ等の訓練を行います。これもしっかり万一に備えてやっておく必要があると思います。
令和4年度 大分県総合防災訓練(実動) [PDFファイル/480KB]
令和4年度 原子力防災訓練の概要 [PDFファイル/326KB]
次の知事選について
一身上のことでございますが、次の選挙で私はどうすべきか、手を挙げるべきか否かについて熟考を重ねて参りました。結論として、今期限りで知事の仕事を辞めることと致しました。次の知事選には立候補しないということです。最大の理由は、やはり近頃、足腰が弱って立ち歩きが不自由になってきたことです。もちろん、世の中を見ますと、足腰が不自由な方、あるいは足腰が弱ってきた方も、本当によくやっておられるなと感服しています。そういう中で、私だけ辞めますよと言うと、逃げ出しているような気がして、そういう方々に大変申し訳ない思いもあります。ですが私の場合この仕事を本当に長くやらせていただきました。足腰の弱った段階でさらに頑張るという、未練がましいことがないように辞めると決断をしました。
20年間にわたりまして県政ふれあいトーク等で県内各地を回りながら、多くのみなさんにお話を伺ってきました。その方々のお顔も浮かびます。それから長い間、大変熱心に応援していただいた多くの県民の皆さんもおられます。そういう方のご厚情が今になって益々身にしみる思いです。多くの県民の皆さんに心からお礼を申し上げたいと思います。本当に長い間、ありがとうございました。心から感謝を申し上げます。
私からは以上です。
記者 知事選への不出馬の件について、これまで熟慮を重ねてこられたと思うのですが、今日このタイミングでその考えに至った理由があれば教えて下さい。
広瀬知事 できるだけ早く決めて発表した方がいいかなと思っていながらも、なかなかいいタイミングもなく、あまりぐずぐずしてもということで、決断をして今日発表させていただきました。
記者 これまでの広瀬知事の県政を継続していくため、次の知事についてはどのようにお考えですか。
広瀬知事 後継という考えはありませんね。それこそ賢明なる県民の皆さん方が選択をされることですから、私から後継について、申し上げるつもりはありません。ただ、今は、少子高齢化・人口減少が進んでいる中で先端技術に挑戦し、将来の新しい産業フロンティアとして宇宙への挑戦もしようとしている大事な時です。それから社会的な課題でもある、カーボンニュートラルの問題もあります。九州で唯一、コンビナートを持っている大分県にとって、このカーボンニュートラルは、大変楽しみな分野でもある反面、リスクもあります。私は、県民の皆さんの選択を固唾をのむ思いで見ておきたいなと思っています。
記者 後継を指名しないのは、知事ご自身が2003年初当選されるときに、前知事さんから意中の人というような言い方をされた影響もあるのでしょうか。
広瀬知事 20年間、知事の仕事をさせていただいて、いろんなことがあり、そういう中で、後継は指名しない方がいいだろう、と思ったところです。
記者 後継になる方はどういった方がふさわしい、という考えはありますか。
広瀬知事 先ほど申し上げたような、大変楽しみな、しかしやりようによってはなかなか難しい、そういう課題をしっかり正面から取り上げていく方であって欲しいと思います。
記者 難しいが、やりようがある課題について正面から取り組める方、ということですね。知事、20年間の一番思い出に残ることは何かございますか。
広瀬知事 たくさんあって話すと1時間くらいかかるんじゃないかな。最初の出だしが確か、改革第一期と言って、行財政改革から始まり、教育委員会の不祥事を契機として教育改革にも力を入れました。それから市町村合併の問題もありました。なんといっても県庁職員の意識改革をやろうということで、とにかく県民中心の県政だとか、ノーと言わない県政だとか、そういうことを語りながら、県民のために働く、県民に信頼される県庁を目指してやってきました。その点においては県庁の職員みんなが納得をして頑張ってくれたことで、いろんな仕事がうまく流れていったんじゃないかなと思っています。
記者 決断をされたのはいつぐらいで、どんなところで一番悩まれましたか。
広瀬知事 決断をしたのは昨日10月3日です。辞める理由は単に足腰が弱ってきたからということだけではなく、そこに至るまでにはいろんなことを悩み、考えました。一つはやっぱり足腰が不自由な状態でも、なんとかやれないだろうかということです。とにかく足腰のことは心配せずに最後まで頑張れ、と応援してくれる多くの県民の皆さんに非常に勇気づけられたということもありました。それから、任期を重ねるごとに、世の中が変わってきて、面白いことをぜひ県のためにやったらいいな、と思うことがどんどん出てきたので、それをどこまでやるかな、ということも考えました。しかし、最終的には、そういう話は今後もずっとあるんだから、どこかで次の人にやってもらうしかしょうがないな、と割り切って、昨日決断しました。
記者 今回決断するにあたって、どなたかにご相談されましたか。あるいはこの決断についてどなたかにご報告はされましたか。
広瀬知事 この決断については、やっぱり体のことが大きな要素だったので、家族とは相談しました。それから、ご相談をするべき人はたくさんいましたが、そういう方には日頃からいろんなことで激励していただいているので、今回のことで改めてご相談をしたわけではありません。
記者 決断に対するご家族の反応はどうでしたか。
広瀬知事 立候補の時の拒否反応に比べますと、今回はそうでもなかったですね。
記者 後継という考えはないということですが、水面下で次の知事選に出てほしいという方に、出馬を打診した事実はありませんか。
広瀬知事 ありません。
記者 全国の知事さんの中では、今一番年長でいらっしゃいますが、この点について今回のご判断は何か関係しましたか。
広瀬知事 いや、年齢のことはあまり考えませんでしたね。最年長っていうのは良いもんですよ。みんなが大事にしてくれるから。
記者 今、県政が非常に難しい局面にあります。敢えて、3つ最優先で取り組んでいってほしいことを挙げるとすれば何ですか。
広瀬知事 少子高齢化・少子減少の中で、地方創生にしっかり取り組むということ。それから先端技術に取り組んで、大分県の新しい産業のフロンティア開拓に挑戦するということ。それからカーボンニュートラルですよね。楽しみではあるが難しい問題です。下手をすると本当に大変なことになる。九州唯一のコンビナート、ものづくり立県大分県、あるいはものづくり立国日本の支えになっていることもあるわけですから、そこをしっかりやっていくことが大事ですね。
記者 交通アクセスで、新幹線の問題が時々言われますが、東九州新幹線はそんなに優先度が高いんですか。
広瀬知事 高いですが、今は基本計画からどうやって実施計画にするかという段階です。今後、今の実施計画路線の目途が立っていくと、次なる実施計画の議論がでてくる。そのときに議論することになると思いますね。今は前段階、仕込みの段階です。
記者 もちろん、軽視する問題ではないと。
広瀬知事 もちろん。ただ、そこまでいくには、あと3期くらいやらないといけない。
記者 今の率直な心境を教えてください。
広瀬知事 今後については、できるだけ早く決めて発表しないといけないなと思っていたので、そういった意味では発表できてほっとしました。他方、まだあと半年はありますから、残った任期で今の課題についてしっかり走れるだけ走るということが大事かなと思っています。それから、本当に多くの皆さんに改めて感謝の念が湧いてきた気持ちです。
記者 先ほど次の知事に力を注いでほしい3点というのを挙げていただきましたが、健康問題がなかったらここまでやりたかったという心残りはないですか。
広瀬知事 ないですね。もうちょっと3点について形がつくまで、という気持ちもありましたが、そうすると次から次に課題が出てくるということも気がつきました。さっき言ったように身体に相談をし、知事を続けることについて未練がましく醜態をさらすことがないようにしないといけないな、ということで決断をしました。ですから今は悩んだ末、カラリとした心境です。
記者 引退を考え始めたのはいつくらいからですか。
広瀬知事 引退を考えたというよりも、来年選挙だなと、選挙に出るか出ないかということを考えました。そして身体がもつかとか、頭は大丈夫かとか、支援してくださっている方、気持ちに添えるかどうかとか、いろんなことを考えた結果、こうなりました。
記者 それはやっぱり春くらいからですか。
広瀬知事 私の場合は3期目に突入したときですね。これでおしまいかなという気持ちと、いやいやまだ4期、5期やるんだという前向きな気持ちがありました。ラクビーワールドカップもあったしね。いろいろ考え悩んだ結果として、今は晴れやかな気持ちです。
記者 大きな取り組みとして大分宇宙港からの人工衛星の水平型打ち上げを控えていますが、知事の任期中の打ち上げについてはどうお考えですか。
広瀬知事 一号機くらいは、大分空港から飛び立つのをぜひこの目で見たいなと思っていますが、こればかりはいろいろ日米の考え方をすりあわせていかなきゃならない大変難しい問題ですから、どうなるかまだ分かりませんね。しかし最後まで努力をしていきたいと思います。
記者 率直な質問ですが、知事が就任された20年前と今の大分県を見たときに、大分県は良い県になりましたか。
広瀬知事 自信を持って言えますね、良くなったと。特に少子高齢化・人口減少が問題となった本当に厳しい20年でしたが、県として前に進んだかどうかと言えば、私は自信を持って大分県は良くなったと言えます。これも県民の皆さんのお力のおかげです。
記者 引退後、何かしたいことはありますか。
広瀬知事 とにかく、足腰を鍛えまして、第2のふるさと、スペインに旅行したいなと思っています。
記者 改めて県民の皆様に言いたいことがあれば伺いたいです。
広瀬知事 実は、先日学生さんなど若い人にまで次はどうするんだと心配をしてもらって、大変光栄に思いました。本当にこの20年間、大分県は印象も良くなったし、それから中身も県として盛り上がってきたと自信を持って言えます。それは県民の皆さんが、より高みを目指して頑張ってくれたおかげだなと。共に県民の皆さんと一緒に仕事ができたということについて、本当に今、幸せを感じているところです。私はこの20年間、県政ふれあいトークなどで県内各地を回って、中には廃村になるようなところもありましたが、それでも行かせていただき、いろんなお話を聴かせていただいて、住みよい、より元気な将来の発展可能性豊かな大分県を共に作っていこうと語ってきました。そういう皆さんの顔が本当に思い浮かびます。それから頑張れといって温かい気持ちで変わらぬ支援をいただいた県民の皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。
記者 知事は前回衆院選で自民新人候補を応援されていましたが、そのあたりで政治的色がついたとか、そういったことは今回の決断に影響しませんでしたか。
広瀬知事 全くありません。県民党で一貫してやってきたと思います。前回の衆議院選挙のことだと思いますが、私も県民党という立場を慎重に守ってきたつもりです。そこが影響したところはありません。
記者 後援会組織の高齢化等について、今回の決断に何か影響したことはありますか。
広瀬知事 後援会組織は勝手に応援してくれて進んでやってくれる方が多く、ありがたいと思っています。そういう方々も、それぞれ組織の中で新陳代謝もしてくれているので、そこはあまり心配ないと思います。
※知事及び記者の発言内容については、単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、作成しています。[記録作成:企画振興部広報広聴課]