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知事からのメッセージ 風紋 一服いかが?おおいた大茶会

印刷ページの表示 ページ番号:0002044909 更新日:2018年11月15日更新

一服いかが?おおいた大茶会

大分県知事 広瀬勝貞

 「ねぇ、どこから来たの?」
 「待ってたんだよ。ずっと待ってたんだよ。」
 国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭のオープニングステージ「ヨロコビ・ムカエル?」。村人たちが見知らぬ来訪者を、猜疑や困惑の末に、結局は前からの知り合いのように迎え入れるところです。
 脚本は、佐伯市出身で芥川賞作家の小野正嗣さんがこの文化祭のために書き下ろしたものです。小野さんはこのために県内各地を巡り、地域の方々とお話をされました。そこで感じた、温かくおおらかな「歓待の精神」を大分らしさとして作品に込めてくれました。
 ステージは、大分市出身で演出・振付家の穴井豪さんが、公募メンバーを含む300人を超える県民の皆さんと時間をかけて創りあげました。練習も拝見しましたが、出演者が懸命に踊る姿やたくさんのご家族が見守り支えていただいていることにとても驚きました。群舞のシーンでは、両手を精一杯広げて踊る車いすの少年と、後ろで身を低くしながら車いすの回転を手助けする少女が印象的でした。二人は小学生の姉弟でお姉ちゃんは自らサポートをかって出たそうです。皆さん本番で、長期間に亘る熱心な練習の成果を存分に発揮して、大きな拍手を浴びる姿に胸が熱くなりました。
 ダンスメンバーたちの個人としてもチームとしてもよく練られたパフォーマンス、20年前の国民文化祭のレガシーのひとつゆふいん源流太鼓や由布高等学校の神楽、東明高等学校のバトントワリング、そして、津久見樫の実少年少女合唱団の歌声など、出演者や指導者がチャレンジを重ね、圧巻のステージを創りあげてくれました。
  文化祭のテーマは、おおいた大茶会。その心は障がいのある方もない方も、おとなも子どもも、もちろんシニアの方も誰もが参加し、楽しんでいただく文化の祭典にしたいということです。大分県には各地に伝統があります。新しい文化の芽吹きがあります。おおいた大茶会では、地域的にも、県内全市町村が参加して、芸術文化を披露していただくことにしています。内容も、伝統文化と現代アート、和の芸術と洋の文化など盛り沢山です。
 そんなわけで、県内各地で160を超える様々な事業が繰り広げられています。一つひとつの事業に多くの方々が関わり、それぞれの思いが込められています。そこにたくさんの交流と出会いが生まれ、次なる展開へと育っていくことを期待しています。
 文化は優しく懐深いもので、来る者は拒みませんが、追いかけて来ることはしません。私も安心して、少し心得のあるところに出かけて、さらに新たな発見をしたり、ちょっと勇気を出して見知らぬところに踏み込んで、びっくりし、共感し、そして世界が拡がったような体験も楽しんでいます。まさに、「ヨロコビ・ムカエル?」ですかね。

~県政だより新時代おおいたvol.121 2018年11月発行~